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ものづくりの町・燕市から誕生! シャリを握るための専用器具「すしトング」ってなんだ!?

こんにちは、編集部のカワムラです。先日、ものづくりの町として世界的にも有名な燕市に行ってきました! 燕市で作る金属製のカトラリーは、国内シェア90%! ノーベル賞の晩餐会で使われるカトラリーも、実は燕市にある企業が作ったものなんですよね。

 

すごいぞ、燕市! 

 

というわけで、今回はそんな燕市の企業「ゴトウ熔接」さんが一風変わった自社製品を作ったというニュースを聞きつけて、実際に突撃してきました! 

 

ゴトウ熔接さんは、その社名の通り、金属加工や溶接のスペシャリスト。キャッチコピーは「シートをパイプに!」。私も含めて一般の人にはわかりづらいかもしれませんが、ステンレスやチタン、鉄、アルミなどの金属板(シート)を……

 

こんな感じでクルッと加工して。

この後、板同士の隙間を溶接し、溶接部分を研磨することで、見た目はもちろん触ったとしてもつないだ部分がわからないようなパイプを作ってしまうわけです。身近なところでいえば、このパイプの底を溶接したものが、ステンレスボトルや魔法瓶として使われています。もしかすると、皆さんが使っているステンレスボトルもゴトウ熔接さんが作っているものかもしれませんよ。

 

ちなみに、燕市が主導となり、市内の金属加工業者らが共同研究・開発している「燕製フィギュアスケート靴用のブレード(刃)」の溶接工程を担当しているのも、ゴトウ熔接さんだったりします。

 

そんな金属加工のスペシャリストが、創業から約50年にして初めて自社ブランドのオリジナル製品を完成させたわけですから、取材しないわけにはいきませんよね! その自社製品というのがコチラ!

 

その名も『すしトング』です!

 

 

「…なんだろうコレ」と思った、そこのあなたっ! 

 

 

大丈夫、私もです!!

 

記事タイトルでネタバレしていても、このインパクト。

すしトング。おそるべし。

 

一体、すしトングとはなんぞや!

 

世界に誇るものづくりの町・燕市にある企業で金属加工のスペシャリスト「ゴトウ熔接」さんが、満を持して商品化したオリジナル商品「すしトング」をもう一度どうぞ。

 

 

このすしトングはヘッド部分にシャリを詰めてグリップを握ると、手を汚さずに清潔なシャリが作れるという、シャリを握ることに特化したキッチンウェアです。実際に使ってみた感想でいえば、かなり便利でした。

 


 

早速、すしトングの商品化プロジェクトを担当したアンさんに、お話を聞いてみました。

 

――正直なところ、かなりユニークなキッチンウェアだと思いますが、そもそも、なぜすしトングを開発しようと考えたのでしょうか。

「すしトングのアイディアは、現社長・後藤のお子さんと、後藤の父にあたる会長との会話から生まれたものなんです」

 

――後藤社長がお孫さんとおじいさんの会話を聞いて、ひらめいたということですね。

「ある日の食卓でのこと。会長がお孫さんにおすしを握ってあげていたそうなんですが…」

 

――なるほど。食べ盛りのお子さんが相手では、いくつもいくつもシャリを握り続けるのは大変ですもんね。

「いえ、そうじゃないんです。…お孫さんが『おじいちゃんが握った寿司は、汚いから嫌だ』と言ってしまって。そのやり取りが開発のキッカケだったそうです」

――それは…ちょっと切ない秘話ですね……。

 

開発に5年。数々の試作を経て、ようやく商品化にたどり着きました。

衛生面や利便性を追求したすしトングは、煮沸消毒ができるようにオールステンレス製。シャリを包むヘッド部分はフッ素加工が施され、さらに分解して洗うこともできます。

 

プレス、研磨、溶接と、ゴトウ熔接さんがものづくりの最前線で培ってきた匠の技術がすべて生かされているんです。ちなみに、このすしトングに使われている一連の機構で特許を取得されています。

 

実際に握ってみると、こんな具合に。

 

果たしてすしトングの威力とは!? 実際に握ってみました!

燕市の企業「ゴトウ熔接」さんが先日完成させた、清潔・安全のオールステンレス製のすしトング。実際のところ、上手に、何よりおいしく握れるのでしょうか? それを確かめるために、即席の握りずしパーティーの始まりです!

 

すしトングの使い方は、本当に簡単。このようにシャリを詰めて……。

 

クイッとすくう感じで回転させたら……。

 

ニッパーやペンチのようにグリップを軽く握ると、ヘッドが上に動いてシャリを包みます。

 

ヘッドの動きが分かるでしょうか? シャリを握るのは、一度ヘッドを動かすだけで十分。あとはお皿の上に、ポンとのせるだけ。アツアツの酢飯なら、くっつくこともありません。シャリをつめて、グリップをギュッと。これだけ。

 

グリップを握るための力はかなり軽く設定されていて、子どもや年配の方でも十分に使えそう。ひとつのシャリは、約20グラムになるように設定されているそうで、生みの親である後藤社長は実際に回らないおすし屋さんを訪れて、ノギス(物のサイズを測る測定器)でシャリの寸法を測ったりして、シャリの研究を重ねて、現在の形にたどり着いたそうです。

 

実際に食べてみると…口の中でシャリがホロッと崩れます。本当におすし屋さんのシャリという感じ。それでいて、箸で持ち上げても崩れません。

 

口の中でホロッとほぐれる食感の秘密は、すしトングの構造に。シャリを握るキッチンウェアは他にもありますが、シャリの型にはめて押し出すものがほとんど。それだと、どうしても硬くなってしまいます。そこで、上から押しつけるのではなく、横(縦)からプレスすることで、シャリが硬くなりすぎないんだそうです。

 

現在は日本経済新聞社が運営するチケット購入型クラウドファンディングサイト「未来ショッピング」で先行発売中で、初回の販売分は見事完売! 今まさに順次発送中という状況です。

 

これがあれば「おじいちゃんの握ったすしなんて、食べたくない!」なんて言われませんし、『手巻きずしパーティー』ならぬ『握りずしパーティー』もできそうです。それに、日本のすし文化を世界に広めるためのアイテムにもなりそうですよね。

 

ものづくりの町から生まれた、オールステンレス製の清潔で安心のシャリ特化型のキッチンウェア。おじいちゃんやおばあちゃんに。海外のご友人に。ご興味があれば、ぜひお問い合わせを。

 

 

ゴトウ熔接

[住所]燕市粟生津1393-1
[電話番号]0256-92-6736
[営業時間]10時~17時  
[備考]現在は『未来ショッピング』のみの販売

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