かなりクセが強く、地元の人でも「10人中、食べられるのは1~2人いるかどうか」と紹介された鍋料理がこちら! 丸金丸さんで10月から提供スタートとなる「幻のしょうから鍋」(1日5食限定)です。

 

一見すると「みぞれ鍋」を思わせるビジュアルです。大根おろしがたっぷりとかかっています。なんと言えばいいのか…とてもおいしそうです。

 

寄ってみます。具材は大根おろし、長ネギ、白菜とシンプルです。

 

よく見ると大根おろしの下に、何かが潜んでいます。ちょっと掘ってみましょうか。

なんと、イワシが丸々一匹隠れていました! 

 

 

…ん?

………んん?

…………なんだか不思議な香りがしてきたぞ。

 

 

なんだろう、この香り。鍋が煮立つほどに、とても個性的な香りが漂い始めました。これはなんともいえない香りです。ただ、イワシの身はしっかりと煮込まれていてホロホロで、香り以外はおいしそうです

 

では、早速。いただきます。

 

……うん、うまい! イワシは塩漬けされたもののようで、かなり塩が利いてます。香りの正体は、イワシの塩漬けと、大根おろし、それと酒かすのようです。日本酒と合いそうな味で、いわゆる珍味とかが好きな人はハマりそうです

 

……けど、くさい。くさいよ。

 

大根おろしと酒かすのパワーでしょうか。体がポカポカと温まってきました。これからの季節にぴったりかも。くさいけど。

 

 

なんなんだこれ。くやしいけどうまい。くさい。くさいよ。

 

………

………………

………………………

気を取り直して、丸金丸の代表で料理人でもある加藤さんにお話を聞いてみました。

 

―――いったいこれは、どんな料理なのでしょうか。

 

加藤さん「味も香りもクセが強いでしょう? これは寺泊の野積地域に伝わる郷土料理『しょうから鍋』です。塩漬けしたイワシ、長ネギ、白菜、たっぷりの大根おろしと少々の酒かす。具材はこれだけで、あとはじっくりと煮込むだけです」

―――私が匂いに悶絶している姿を見てご主人は笑われておりましたが、なぜあえて人を選ぶ料理を作ろうと考えたのでしょう?

 

加藤さん「実は野積に伝わる郷土の味を再現・復活させる試みを続けているんです。味は二の次とは言い過ぎかもしれませんが、具材や作り方はそのままに、当時の味を再現することを第一に考えています。今回の鍋も、今ではほとんど作られなくなってしまった一品です」

 

―――なるほど。それで、まぼろしなんですね。

 

加藤さん「最初は食べられないかもしれませんが、独特の風味がヤミツキになるはずですよ。ご飯にかけて食べる人もいるほどです。野積の歴史や文化を味わうつもりでチャレンジしていただければと」

 

―――ご飯にかけるのはかなりハードルが高いですね…加藤さん、ありがとうございました!

 

 

丸金丸さんでは「宴会食事コース」という日帰りプランがあります。写真のような8~9品の料理をお部屋で楽しみながら、お風呂にも入れます。お料理とお風呂の利用で3,780円ほど。幻のしょうから鍋は1人前540円の追加料金が必要です。

さらにランチタイム(11時30分~13時30分LO)には、旅館の1階を使った「丸金食堂」としたランチ営業もしています。旅館の板前さんが作る、おいしいランチをお楽しみください。ちなみにランチでは「しょうから鍋」は注文できません。だって、結構な匂いですから。

 

日帰りの宴会食事コースか宿泊の際に、注文してくださいね。

 


 

海笛の宿 丸金丸

[住所]長岡市寺泊野積1341-2
[電話番号]0258-75-3434
※宴会食事コースは、4名以上から利用可。2日前に要予約
※幻のしょうから鍋は10月から提供開始。1日5食限定、540円