渋谷商店の麹たち。そして、味噌は蔵へ行く

麹室は、麹菌を繁殖させる保温室。室温は30度前後に管理され、菌が活発に活動します。湿った空気と麹独特の香り…麹室には空気中にも菌がいるため「ここにいると元気いっぱいになる!」という人もいるようですから、ついつい取材陣は見学と言いつつも長居してしまいます。麹室の中は、壁や扉、作業台を見てもすべて木。渋谷商店の味噌の軸になっているといっても過言ではありません。

「引っ越しをするとき、どこまで今の工場から移転先へ持って行けるのか、また、どうやって持って行くのかを考えなくてはなりません。また、調合の比率などは数式で管理していますが、蔵に住み着いた菌たちをどうすればいいか悩みますね」と話すのは、専務の渋谷亮さんです。

「ちょっと麹を食べてみますか?」と言われ試食。そして大豆と麹と塩が混ざった熟成前の味噌も!「渋谷商店の味噌は、このコクの深さです!」しょっぱさよりも、甘みやコク、味の複雑さが強く広がります。

「工場の3階で味噌を造り、2階の熟成室で寝かせ、1階で袋詰めです」。生産量や衛生面を考えた、それぞれのフロアの役割。味噌の移動を見ているだけでも、なぜか楽しくなってきます。

 

 

味噌屋さんの向こう側を目指して  >