サイトアイコン Komachi MAG.

新潟豆紀行番外編:12トンの味噌がなくなる!沼垂 発酵・大醸し祭り

「発酵の町」として知られる新潟市・沼垂。そんな沼垂にある峰村醸造今代司(いまよつかさ)酒造で共催された「発酵・大醸し祭り」にお邪魔してきました。2016年秋の初開催から順調に認知を広げ、直近の第3回開催では県内外から約10,000人を動員するまでに成長したこのお祭り。今回は、そんな「発酵・大醸し祭り」の中でも絶大な人気を誇るという、ある“名物イベント”を体験するのが目的です!

会場の峰村醸造と今代司酒造は、新潟バイパス「紫竹山インター」を降り、栗ノ木バイパスを沼垂方面に5分ほど走ったところにあります。両会場は栗ノ木バイパスに隔てられているものの、徒歩4分ほどの距離に位置しているため行き来は簡単です。まずは峰村醸造に訪れることを決め、開場の10時に合わせて現地入りすると、そこには驚きの光景が・・・。イベント会場に続く長~い行列。そう、あの“名物イベント”に参加する人たちの列です。まさかこんなに並んでいるなんて・・・!

早速ネタばらしをしてしまいますが、その“名物イベント”の正体は、峰村醸造名物「味噌盛り放題イベント」だったのです!片手に持ったケースに30秒間の制限時間で好きなだけ味噌を盛れるという、これ以上無いくらいシンプルで熱くなれそうなイベントです(笑)。過去の開催では、なんと2日間で12トンの味噌が無くなってしまうほどの大盛況だったとか。来場者の方の味噌への情熱を甘く見ていました・・・!

行列はいったいどこまで続いているのでしょうか。まずは列には並ばず、「味噌盛り行列」の全容を確かめてみようと思います!屋外の行列をクリアすると、まずは醸造所の玄関口にあたる峰村醸造フードショップ横の小さな戸口(画面右奥)に辿り着きます。目指す味噌盛り会場は建物の最深部・醸造所!でもここからが長いんですよ!

並ぶ・・・。

並ぶ並ぶ・・・・・・。

・・・・・・・・・ようやく到着!なにやら奥の方がにぎやかです!

やってるやってる!

皆さん盛ってます!

お母さんたち、本気です!

 

早く私も盛りたい…!しかし、ここまで辿り着くためにはあの行列に並ばなければなりません。ちょうど味噌盛りを終えたばかりのご夫婦にここまで来るのにかかった時間を尋ねてみたところ、「1時間と15分くらいですかねぇ。大変でした~。」とのこと。ここはいったん撤退し、会場周辺を散策することにしましょう!なにしろ大醸し祭りの楽しみはまだまだほかにもあるのです!

 

 

「味噌盛り」だけじゃありません。世にも珍しい「漬物ガチャ」に遭遇・・・!  >

世にも珍しい「漬物ガチャ」に遭遇!

実は行列を追いかけている途中、「味噌盛り」の次に気になっていたイベントに遭遇していたのです。それがこれ。「漬物ガチャ」です!1回500円のガチャで最大3,500円相当のお漬け物が当たるというイベントです。

お子さんがせがむのか、子ども連れのお父さん、お母さんが多く並んでいました。でも、いざガチャガチャを目の前にすると、結局大人もワクワクしながらレバーを回してしまうんですよね(笑)。辺りには味噌の香りが漂い、おいしそうな漬け物も目の前に。白いご飯が無性に恋しくなってきます!

いったん醸造所から引き返し、峰村醸造のフードショップへ。ここでは、「発酵・大醸し祭り」の日にしか販売されない限定グルメ季節の醸造・糀食品などが販売されています。土蔵をリノベーションしたという建物は天井が高く、使われている照明の光もあたたか。なんだかほっとするような居心地の良さがあるんです。

イベントの目玉グルメ「糀・味噌メロンパン」(数量限定/250円)。峰村醸造の味噌と系列店「古町糀製造所」の糀を使用しています。ビニールで一つひとつ包装されているのですが、顔を近づけてみると、甘いような、しょっぱいような、なんとも言えない豊かな発酵食品の香りが。数量限定ですから、売り切れてしまう前にひとつ買って食べてみましょう!

食べ始めはチーズを思わせるような香りを感じますが、しばらくすると味噌と糀の香りが立ってきます!「味噌の味」「糀の味」としっかり感じる一歩手前に調整されているので、メロンパンの甘さ、味噌の香り、糀の香りをバランスよく感じることができます。う~ん、よく計算されています!

屋外のイベント会場には出店がズラリ。様々なメディアで取り上げられている沼垂の地ビール「沼垂ビール」や沼垂が生んだ名歌手・小唄勝太郎にちなんだ「勝太郎サンド」、などご当地グルメも勢ぞろいです。ちなみに、この小唄勝太郎さん。実は女性なのですが、沼垂の芸妓さんを経て日本を代表する歌手になった方だそうです。紫綬褒章の受賞歴もあり、あの美空ひばりさんが小唄さんの前座を務めたこともあったとか!(美空ひばりさん「が」、小唄さん「の」前座を、ですよ!)ご存知でした?

 

 

デッドオアアライブ!ハイリスクハイリターンな「地酒ガチャ」に挑む! >

 

「地酒ガチャ」で運試しを!もうひとつの会場「今代司酒造」へ

「味噌盛り」の行列がまだまだ長いままだということを確認し、もうひとつの会場「今代司酒造」へ足を運んでみることに!事前情報によれば、こちらの会場では「地酒ガチャ」「酒粕の盛り放題」など、「お酒」中心のイベントが行われているとのこと。お酒好きの方なら今代司酒造の方を起点に動くのもよさそうです。

栗ノ木バイパスを挟み、峰村醸造とは反対側の道を紫竹山インター方面へしばらく行ったところに今代司酒造はあります。「長嶺町」の信号を渡ると右手に大きな煙突が見えるので、それを目指しましょう。

ここがもう一方の会場「今代司酒造」。今年の3月30日にリニューアルオープンをしたばかりです。軒先に下りた杉玉に真っ白なのれんと外壁。長年の伝統をしっかりと感じさせながら、モダンな雰囲気もにじませる素敵な建物です。酒造というよりは、美術館高級インテリアショップのような印象で、入るのに少し緊張してしまいます(笑)。

店内には今代司酒造自慢の日本酒の数々が並びます。目を引くのはグッドデザイン賞も受賞した日本酒「錦鯉」。米が貴重だった時代、少しでも多くの利益を上げるために酒を水で薄めて販売していた酒蔵や酒屋があり、金魚が泳げるほどに薄められた酒は「金魚酒」と呼ばれ揶揄されたそうです。今代司酒造はそんな時代でも酒を薄めずに出荷していたので、金魚ではなく「錦鯉」のようだと称えられたとか。そんな今代司酒造の矜持をかたちにした商品がこの「錦鯉」なんです。

店の奥には「春の限定酒量り売り」コーナーがありました。このイベントでしか飲めない限定種をその場でビン詰めにし、量に応じた料金で購入することができるんです。3種類のビンそれぞれの規定量ぴったりに注ぐことができればその一本が無料プレゼントとなります。家で特訓していけば、意外といい線まで行けるかもしれません!

今代司酒造の方でも「盛り放題」イベント「酒粕盛り放題」をやっていました。峰村醸造の味噌盛りと同様、参加料500円制限時間30秒です。訪れた時点での最高記録はなんと6.2キロ!1キロ800円相当だそうなので、約5,000円相当を獲得した計算です。酒粕を使ったレシピが甘酒以外に思い浮かばず挑戦を断念しましたが、豚汁その他のスープ類に入れてよし、肉や魚を漬けてよし、酒粕を使ったアイスまで作れると知った今では「やっておけば」と後悔・・・!

こちらは場外スペース一番の目玉イベント「地酒ガチャ」1回300円のガチャで日本酒 or おちょこが当たります。ガチャには「ハイリスクハイリターン」コースと「ローリスクローリターン」コースの2種類があり、ハイリスクコースには特賞の日本酒「錦鯉」がある代わりに「おちょこ」というハズレ(それでも324円相当なので損をすることはないのです!)があり、ローリスクコースには「錦鯉」が無い代わりにハズレ(おちょこ)が出ない、という内容。人間性の出る選択です・・・!

私はハイリスクガチャの方を選択(即決)!!!

ガチャガチャ・・・コロコロコロッ!!!

・・・・・・・・・・・・パカッ!!!!!

 

 

いよいよ「味噌盛り」の時間です!勝者の証“4キロ超え”を果たし、おちょこの借りを返せるか!? >

いよいよ決戦の時来たる!目指すは勝者の証“4キロ”超え

今代司酒造から峰村醸造に戻ってきた頃、時計の針は13時にさしかかっていました。「味噌盛り」の行列はピーク時の3分の1ほどに短くなっており、待ち時間はおおよそ20分~30分。そろそろ頃合いと見て列に並びます!

列に並んでいる間はひたすら「盛り方」のシミュレーションです。しゃもじを使って1回で掬える味噌をおおよそ200グラムとすると、4キロ盛るには20ストローク(盛り)を要します。制限時間が30秒ですから、1ストローク(盛り)を1.5秒という高スピードで反復する必要があるのです。とにかく素早く、そして積み上げ方は縦に高く!これで4キロは達成できるはず!

4キロを達成すればショッキングピンクのトートバッグがもらえます。それだけ4キロの壁は高いのでしょうね。不安になってきました…!

参加料500円の支払いは味噌盛りの直前で済ませます。その後右手にビニールの手袋をはめ、左手にはビニール袋を覆ったカップを持ちます。ちなみに、制限時間が終わるまではこのカップを覆ったビニールを上げてはいけません。準備が整ったら静かに味噌コンテナの前にセットアップしスタートの合図を待ちます。そしてついにスタートの時!!!

一心不乱に味噌を盛ります!盛った味噌の形を整えるのに案外手間を取られます!これは想定外!あ、盛った味噌がモロモロ崩れてきた(笑)!………などとやっているうちにあっという間に「終了~!」の声。全然だめでした~!

盛り終えたらスタッフの方に軽量と袋詰めをしてもらいます。私の結果は………

2.65キロ(笑)!目標の3分の2ほどしか盛れませんでした…。上手に盛る方はどんな風にやっているのでしょうかね~!

でも、こうして持ってみるとかなりの重さ!実家の母や親戚のおばさんに分けてあげようと思います!

味噌盛りの目標は達成できませんでしたが、今回のイベントで味噌、糀、酒をこれまでよりずっと身近に感じることができるようになりました。新潟が他県に、世界に誇れるこうした発酵食品の可能性がもっともっと広がってくれればと思います!

 

 

【発酵・大醸し祭り】

会場/峰村醸造、今代司酒造

日時/2018年4月15日(土)、4月16日(日)

モバイルバージョンを終了