矢崎さんが演じる田村沙織は、胎内川流域を統治する神様の娘、という設定。多くのカップルを破談に追いやる父の横暴な神様ぶりに疑問を持ち、父の邪魔をかいくぐりながら運命の2人が結ばれるように、恋の手助けをしていきます。

「(最初に台本を読んだとき、ストーリーの内容が)わからなくて、全く想像できなかったんです。新潟のことだし、神様だし。まず、私は新潟のことをあまり知らなかったし、神様ってどういうことなんだろうって頭が混乱してました。私とお姉ちゃん役の(坂井)華ちゃんとで2人で部屋の中で台本読んで、どうしようかとか、ここはこういうふうにしようと話していました。私を初めて見るという人もいると思うので、それはうれしいですし、新潟の胎内市の方もすごく協力してもらってできているので、新潟の良さも伝えつつ、神様の仕事がどういうもので、それが人々の人生をどう動かしているのか、そういった所を見てもらえればと思います」

 前記したとおり、「シネマインソムリエ」は、若い監督や出演者にチャンスを与え、応援するというコンセプトがあります。矢崎さんを含めキャストは約50人ほどですが、そのうちの何人かはインターネットオーディションで選ばれました。また、監督の岩崎登さんはこれまでカメラで数々の映画に携わってきましたが、本作が監督デビュー。フレッシュなキャストとスタッフで作り上げる「神の発明。悪魔の発明。」について、プロデューサーの斉藤宣紀さんは、こう付け加えます。

「岩崎監督って、昨年の『ミスムーンライト』(『シネマインソムリエ』の第1作目)で撮影監督をしていた人。『ミスムーンライト』で監督をしていた松本卓也さんの推薦で、やっていただくことになりました。初監督ですから気合は入ってますよ。見どころは『神様が出てくる』っていう発想、プロットですかね。脚本は現役東大生の渡辺賢人さんのオリジナルで、プロデューサーや監督とブレストしながら進めていったようです。本作は、結婚という課程を踏まずとも好きな人と一緒にいるのが幸せという風潮になっている中、果たして結婚とはいいものなのか?ということを問う映画。2時間で表現するのも大変だったので、『天の声』みたいなのがあるといいんじゃないかという意見が出たんですが、そこで渡辺さんは『神様』を持ってきた。胎内昆虫の家、スピードパーク新潟、胎内フラワーパーク、越後胎内観音像、市役所、樽ケ橋遊園、新発田中央高校など80%が胎内ロケで、ほかに新潟市や長岡市でも撮影しています。来年の1月に新潟で先行上映を予定していますので、ぜひ楽しみにしていただきたいですね」

「神の発明。悪魔の発明。」
脚本/渡辺賢人
監督/岩崎登
主演/矢崎希菜
2019年1月公開予定
宣伝・配給/ベストプロデュース、sommelierTV