Accendereのメンバーはそれぞれに仕事をしながら、演劇活動に取り組んでいます。それには、大好きな演劇を真剣に続けていくための共通の認識があるそうです。

 

岡田「『劇団』というと、夢を追っている若者たちが頑張ってるみたいなイメージを抱く方も多いと思います。僕たちも夢を追っていないわけではありませんが、全員が社会人として生き方を確立した上で、使える時間の中でお芝居に打ち込もうっていうスタンスです。飯の食いぶちは別にあるけど、舞台もやる。でも、お芝居はプロに負けないくらい真剣にやるからねって。僕らは社会人として生きていて生活がそこで保障されているから、余暇の時間をお芝居に注ぎこむことができる。だからこそ、プロとは違ったお芝居との継続的な付き合い方ができるんじゃないかって考えています。演劇も社会生活も、どちらも両立するってことに価値を見いだして活動しているところが特殊かもしれないですね」

 

こうして続けてきた活動も3年目を迎えました。これまでに上演してきた作品を通して、Accendereの皆さんには大きな反響が届いています。

 

先川史織さん

 

先川「それぞれが結成前から活動しているので、『あの人たちが一緒にやるんだ!』って期待して観に来てくださった方も多いですし、『期待通りで満足できました、良かったです』っていう声もたくさんいただいています。ただ、本人たちの耳に届くのはどちらかといえばお褒めの言葉の方が届きやすいんだろうなとは思うので、『あれ、私は面白くなかったな』『もっとこうだったらいいのに!』といった、いろんな意見をフェアに聞き入れられる団体でいたいなと思っています」

 

内藤「前作のときに行ったアンケートでは、褒め言葉にしろ、批判にしろ、しっかり書いてくれている人が多かったのが印象的でした。自分の人生を照らし合わせて書いてくれた方もいて、ちゃんと作品として皆さんに響いたのかなとうれしくなりました」

 

岡田康之さん

 

岡田「皆さん『楽しかった、面白かった』だけじゃなくて、3行4行びっちり書いてくれていて、それがすごく励みになったんですよね。あんなに力の入った、熱量のあるアンケートを読んだのは個人的には演劇人生の中で初めてでした。これからも、期待を裏切らないように努力し続けることがお客さんに対して向かい合うことなんじゃないかなと感じています」

 

大井「(作品を)ちゃんと作る団体っていう評価が広がって、皆さんの期待値も高まっている感じがありますね」

 

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