―「ミュージカル」に特化した作品にした理由は?

矢口監督「そうですね。外国人が歌って踊るとそれは虚構の話として受け入れやすいと思うんです。でも、同じ日本人が現実の景色の中で歌ったり踊ったりするのは、やっぱり違和感があると思われてしまう。これはしょうがないと思うのですが、でもそこが面白いと思うんです。物語のあらすじになるのであまり言えないんだけど『本当は歌いたくないし、踊りたくないけど、なっちゃったんだもん、しょうがないじゃない』っていうのが今作のストーリーの根幹。なぜそこにミュージカルっていう映画を作ったんだっていう理由がストーリーと一致してるんですね。だからすごく作りやすかったです」

 

―そういう意味では必然性。自然とお客さんが入り込みやすくしている。

矢口監督「ミュージカルの必然がストーリーにあるからです」

 

―当然ご覧になるお客さんも、感情移入しやすくなるってことですね。

矢口監督「しやすくなるし、歌って踊らなくちゃいけなくなっちゃった人が、面白おかしく、かわいそうでありつつ、でも本当は歌いたくない踊りたくないって思っているかもしれない。そのシーンがちゃんと華麗で華やかで気持ちよく撮れるシーンに、観れるように作ってます。ミュージカルが嫌いで観たくないっていう人がたくさんいると思うんですが、その理由がこの映画の中に存在する。ミュージカル嫌いの人も観て好きになるんじゃないかと思っています」

 

 

―撮影はまだ序盤と伺っていますが、これからどんなシーンの撮影があるんですか?

矢口監督「今後も壮大なミュージカルシーンがたっぷり残っています。主役の子たちも歌と踊りを練習しながら毎日撮影もしてるので、そこの完成度がいい具合に仕上がって撮影できるか。常に時間との戦いですが、楽しみでもあります」

 

―最後に新潟で公開を待っている読者の皆さんにメッセージをお願いします。

矢口監督「新潟人なら誰でもわかる場所っていうのがたくさん出てきます。(みかづきの)イタリアンの屋台も出てきたりするので。新潟のなじみのある場所を映画の中で見つけられるのは新潟の人だけだと思うので、そういう楽しみ方もしつつ、新しいミュージカルを楽しみにぜひ観てほしいなと思います」

 

 撮影で忙しい中、気さくにインタビューに答えてくれた矢口監督。本当に楽しみな最新作は2019年に公開予定。今から待ち遠しいです! 公開されたらぜひ映画館でチェックしましょう!

 

◆作品概要
「ダンスウィズミー」
2019年公開(予定)
脚本・監督/矢口史靖 
出演/三吉彩花