物語の舞台は、関東大震災直後の混沌とした日本。軍部が権力を強める中で、それまでの自由で華やかな雰囲気は失われていました。約100年も前の、人々を取り巻く環境も現代とはまるで違う時代の話ですが、作品を見た筆者は、今という時代に作品が公開されることにすごく意味があるように感じました。

 

 

木竜さん「私は見終わった後に、すぐには客観的に考えれませんでした。でも観た後に思い返したり、時間が経ってから考え直した時に、今おっしゃってくださったみたいに、『これは自分たちの話じゃないかな』って思ったんですね。今のなんとなく世の中が不穏な空気で、どうなるんだろうっていう漠然とした不安をみんなが持っている状況。そんな中でも、希望だったり光だったり、うれしいニュースにみんな喜びたい。そういうのってこの大正時代の不穏な雰囲気だけど、夢を見たいし、自由が欲しいというところが、すごく通じているような気がして。監督が『3.11(東日本大震災)以降脚本を書き変えて、関東大震災について調べて、多少見切り発車でもこの作品を始めた』ということを、ある取材でおっしゃっていたんですけど、これは本当にこういう事だったなって、見終わって思いましたね。だから今みたいにおっしゃっていただくとすごいうれしいですね。

 

 観ていただいた方に、これは自分たちの(現実の)お話なのかもって思ってもらえるような、今に通じる部分がすごくある作品だと思います。そういう作品に関われた事が私自身すごくうれしいです。それがさらに自分の出身地で公開されるっていうことも、ものすごくうれしい。ぜひ今、現代に生きてる方に観ていただきたいですし、新潟の皆さんに劇場に足を運んでいただけたらうれしいです」

 

 

 この作品をきっかけにさらに大きな舞台へ羽ばたくであろう木竜さん。最後に今後の目標を聞きました。

 

木竜さん「まだ全然経験がないので、これからいっぱい発見だったり、頑張らなきゃいけないし、ぶち当たる壁もたくさんあると思うんです。それでももっともっといろんな作品に関わりたいですし、関わった作品を誰かが観て勇気をもらう1本になったり、誰かの心の1本になれたら幸せだなと思います。そんな作品に関われるように女優として頑張っていきたいなと思います」

 

(c)2018「菊とギロチン」合同製作舎

 

◆作品情報

「菊とギロチン」

脚本・監督/瀬々敬久 脚本/相澤虎之助 

出演/木竜麻生、東出昌大、寛 一 郎、韓英恵 ほか
◆配給:トランスフォーマー 
9/15(土)~21(金)12:35~15:55、シネ・ウインドにて公開予定