昨年5月に初の全国流通作品となるファーストミニアルバム「カントリーロード」を発売。聴く人の心に残る歌声とメロディーで人気が急上昇し、開催するライブはSOLD OUTが続出。今、最も話題を集めているスリーピースバンド･Saucy Dogのフロントマン･石原さん（Vo、G）にバンドの今について、お話を伺いました。
「メンバー3人だけで機材車を運転して全国を回っていた時は、本当に片手に収まるくらいのお客さんしかいなかったり、自分たちのお客さんは0人で、対バンのバンドマンだけが客席にいたりしたこともたくさんありました。だから今、全国ツアーをさせていただけて、チケットが完売になっている状況は本当にありがたいことだなと思っていますね」
ファーストミニアルバムをリリースしてから数々のライブを重ね、着実に前へ進んできた彼ら。今年5月に発表したセカンドミニアルバム「サラダデイズ」では、迷いや不安を抱えながらも突き進んでいくという素直な思いを、さらに成長したサウンドで示しました。
「ファーストミニアルバムにも収録されている『いつか』など恋愛の曲が前作は多かったのですが、『サラダデイズ』は俺たちのバンドの泥臭さを詰め込んだ作品になりました。人に愛を伝えたり、前を向いている希望の歌だったりをちゃんと作っていきたいと思ったんです。結果として、うまくいかない時もあるけど、諦めずに前を向いているバンドの今をちゃんと入れられたんじゃないかなと思っています。バンドをやってるうちに、ちょっとずつ周りの人の愛に気付いたり、これから先の希望を見据えてやっていけるようになったんですかね。お客さんが増えたり、チケットが売れたり、環境がちょっとずつ変わりつつある。メンバーのモチベーションも上がっているし、そういうことが曲にも反映されているんだと思います」
こうした前向きなモチベーションの中で作られた今作。制作過程ではメンバーの意見交換が盛んに行われたそう。
「曲作りの時に一番ぶつかるのは、俺とドラムのせとゆいかですね。お互いに曲へのアプローチが異なるので、アイデアを出し合って、どっちの案を採用するか話し合います。ベースの和貴はあんまり聞いてないことが多いですが、彼が中立な立場でいてくれるから、バランスがちょうどいいんです（笑）。みんなただただ純粋にいい曲を作りたいって思ってるだけなんですよね」
「いい曲を作りたい」。その気持ちに真剣に向き合い、完成させた意欲作を引っ提げて現在開催している「ワンダフルツアー2018」。11月22日（木）に行われるワンマン編新潟公演を前に、10月4日に行われた対バンライブにおじゃましてきました。
この日は、石原さんが「本当に大好きな先輩」と語るSAKANAMONの熱いライブでスタート。「この後Saucy Dogが緊張して待っていると思いますので、1度2度、いや、10度20度、会場の温度を上げたいと思います!」と観客の心をつかむ軽やかなMCをはさみつつ、耳に残るワードセンスが光るキャッチーな楽曲を次々に披露し、Saucy Dogにエールを送りました。
それを受けたSaucy DogはSAKANAMONのキャラクター･サカなもんくんと一緒に登場。3人で顔を合わせてうなずき、石原さんの深いブレスの音で演奏を始めました。
母への感謝の気持ちから生まれた「真昼の月」、美しいメロディーと石原さんのスモーキーで甘い余韻を残す歌声がより一層切なさを引き立てる「コンタクトケース」、ゆるっとした雰囲気がかわいらしい「曇りのち」など多彩な楽曲で観客を魅了。3人の息の合った演奏で次々に展開される音楽に身をゆだねて、体を横に揺らしたり、うっとりと聴きほれたりと自由に楽しむファンの姿がとても印象的でした。
Photo:白石達也
最後には「ツアーを回って、ワンマン編で成長して帰ってきます! またね!」（石原、Vo）と再会を誓ったSaucy Dog。生だからこそ味わえる彼らの等身大の音楽を全身で体感することができました。
全国各地でのライブを経てさらに成長した彼らの音楽を、今度は11月22日（木）に行われるワンマン編で味わいましょう。
◆ワンダフルツアー2018
【会場】Live Hall GOLDEN PIGS 5F RED STAGE
【日時】11月22日（木） 1９時開演
【料金】3,300円（スタンディング･ドリンク代別） SOLD OUT!
【備考】未就学児入場不可
【お問い合わせ】キョードー北陸チケットセンター TEL:025-245-5100
