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青春を歌うだけじゃない!ハンブレッダーズが見せる新たな表情

 大阪発の4人組ロックバンド、ハンブレッダーズ「ネバーエンディング思春期」というキャッチフレーズを掲げ、終わらない青春のメッセージをみずみずしいメロディーに乗せて届ける、今大注目のバンドです。2017年には音楽フェス「SUMMER SONIC 2017」に出演を果たし、さらに今年の1月に発表した初の全国流通版となるファーストアルバム「純異性交遊」は、大手CDショップのレコメンドにも選出されるなど、どんどん活躍の場を広げています。そして、その勢いを保ったまま11月21日(水)にはセカンドアルバム「イマジナリー・ノンフィクション」のリリースが決定。今回は、そんなハンブレッダーズのボーカル・ギターを担当するムツムロ アキラさんに、これまでのバンドの歩みやニューアルバムについてじっくりお話を伺いました。

 

判断基準がブレたから「ハンブレッダーズ」!?

 

 バンドの結成は2009年。きっかけは高校の文化祭に出演するためだったそうですが、ムツムロさんの音楽そのものとの出合いは、中学時代にまでさかのぼります。

 

 

「もともと吉野(ギター・コーラスの吉野エクスプロージョンさん)とは、中学1年生の時に同じクラスで、音楽の授業の自由発表でHYの『てがみ』を一緒に歌うことになったんです。その時に生まれて初めてCDを借りて、自分の部屋で音楽を聴きました。今まで家族と共有していた音楽というものが、初めて自分だけのものになったような感覚があってうれしかった。それが僕の音楽の原体験ですね。それから吉野とカラオケに行くようになったり、ラジオを聞くようになったり、どんどん音楽にハマっていきました」

 

 そんな中学時代を経て、高校に進学したムツムロさんがバンドを結成したのは高校1年生の頃。「ハンブレッダーズ」というキャッチーな響きのバンド名もこの時に生まれたのだそうです。

 

「当時のメンバーと高校の近くのマクドナルドに集まって、バンド名を決めるために何時間も話し合ったんですが、次第にみんなめちゃくちゃなことを言い出すようになって…。なかなか話がまとまらず、だんだん判断基準がブレていったんです。そこから、『ハン』『ブレ』の語感を生かして『ハンブレッダーズ』になりました(笑)。ちなみに、その当時ベースを担当していたメンバーは2016年に卒業して、同時にでらし(ベース・コーラス)がベーシストとして参加しました。でらしはイケメンですが、意外にも他のメンバー同様さえない青春時代を送ってきた仲間です(笑)」

 

とにかく作詞が好き。一日中でもしていたい

 

 「スクールカーストの最底辺から青春を歌いに来た」というパンチのあるフレーズと、その言葉を体現するような青春のもどかしさを歌った曲で、多くのリスナーの心をつかんだハンブレッダーズ。ファーストアルバム「純異性交遊」には、青臭くフレッシュなハンブレッダーズの魅力が凝縮。ポップで耳なじみのいいメロディーももちろん魅力的ですが、何よりムツムロさんの独特の感性で紡がれるセンスフルな歌詞が心に残ります。

 

 

「作詞はもはや日課みたいなもので、毎日のように歌詞を考えていますね。作詞という作業がとにかく好きで、一日中でもやっていたいくらいです(笑)。言葉選びだけじゃなくて、イントネーションなんかにも結構こだわりがあって、音と歌詞がうまくハマると、聞き手にすんなり曲が入っていくと思うんです。だから、作曲に関してはメンバー全員でアレンジを考えたりして、メロディーと歌詞の親和性の精度を高めています。そういう意味では、意外とロジカルな曲作りをしているのかもしれませんね」

 

 そんなムツムロさんのキレのある言葉選びのセンスは、曲の中だけではなくSNS上でも話題を呼んでいます。Twitterのタイムラインに流れる自虐的で遊び心のあるツイートは、思わず笑ってしまうものばかり。

 

 

「知り合いのバンドマンが『いい曲を作る人が、普段からいいことばっかり言っていてもツマラナイ』って言っていたんですけど、その通りだなと思って。つまり多面性がある人の方が魅力的に見えるってことだと思うんですけど、自分もそうなりたいなと思って、くだらないツイートばかりしていました(笑)。いい加減やめなきゃとも思うんですけど、もともと卑屈な性格なので、自虐的なツイートがやめられなくて。何にせよ、楽しんでくれている人がいるのはありがたいですね。Twitterをきっかけにバンドを知ってくれる人も意外と多いみたいですし、今後もご愛顧のほどお願いします(笑)」

 

「自分たちが考える、“カッコイイ大人”になろう」(次のページへ)

 

 

■新アルバムで見せたハンブレッダーズの新たな表情

 

 初めて人を好きになった心情や、音楽と出合った時の感情を切り取ったみずみずしい曲が中心だったファーストアルバム。一方で、11月21日(水)にリリースされるセカンドアルバム「イマジナリー・ノンフィクション」は、前作と打って変わって思想的でメッセージ性の強い曲が目立ちます。

 

 

「元々僕たちのバンドは曲がたまったらアルバムを作るっていうスタイルなので、極端な話、アルバムタイトルやコンセプトは後付けなんです。前作はラブソングが多くて、聞き手の共感の部分に訴える曲が多かったんですが、これは狙っていたことじゃなくて、収録したい曲を並べたら自然とそうなったんです。一方で、新アルバムの方は、聞き手に考える余地を残した、問いかけるような曲が多いです。まじめな話、ロックバンドはしっかりメッセージや思想を歌わないとダメだと思っていて、例えば『こんな社会はクソだ』と歌って終わるのではなく、『君たちはどう思う?』と、考えさせるような余白を設けた曲を作るべきだろうなって。そんな思いが強くなっていた時期だったこともあり、思想的な曲が多くなったのかもしれませんね。ファーストアルバムとはまた違った印象に仕上がったと思います」

 

 今回リリースされるアルバム「イマジナリー・ノンフィクション」には、4曲の新曲に加えて、ライブでも人気のナンバー「口笛を吹くように」「RADIO GIRL」の新録版を収録。新曲に関しては、ファーストアルバムに引き続きスピッツを手掛ける竹内 修さんがサウンドディレクターとして参加した豪華な内容です。

 

「今回のアルバムを象徴するリード曲の『弱者の為の騒音を』は、大人になっていく自分たちの心境を表した曲でもあります。前のアルバムでは『大人になれば分かるなんてうそだ!』とか『大人なんてクソだ』って歌っていたんですが、生活する中で、魅力的な大人とたくさん出合うことができました。その人たちは、みんなどこか無邪気な部分があったり、子どもっぽい一面があるって気が付いたんです。誰しもあらがえない時間軸の中で生きているので、抵抗しても大人にはなってしまう。だったら、自分たちが考える、“カッコイイ大人”になろうって思ったんです。歌詞にある『こどものままで おとなになろう』は、そんな大人へと成長していく上で生まれる葛藤に対しての、僕たちなりのアンサーになっています」

 

「いい曲を作り続ける」。シンプルで力強い目標

 

 この「こどものままで おとなになろう」は、12月から始まるアルバムのリリースツアーのタイトルにもなっています。東名阪を回るこのツアーが終わると、3月にはバンドとして初となるワンマンツアーが始まります。精力的に作曲活動やライブを重ねながら、力をつけていくハンブレッダーズ。ムツムロさんが語る、バンドとしての今後の目標は力強くシンプルなものでした。

 

 

とにかくいい曲をいっぱい作って、それを大勢の人に届けたいです。すでに応援してくれている人はもちろんですが、僕らの曲をまだ聴いたことがない人たちに知ってもらうことが目標ですね。そのために、地道にできることを続けていきたいと思います。もちろんまたライブで新潟へ来られるように頑張るので、ぜひ応援してください! あと、個人的な目標は、読者モデルの彼女を作ることです(笑)。すいません、もちろん冗談です!」

 

 

リリース情報

セカンドアルバム「イマジナリー・ノンフィクション」 

価格:1,700円(税込)

発売日:11月21日(水)

弱者の為の騒音を/口笛を吹くように/嫌/

CRYING BABY/エンドレスヘイト/RADIO GIRL 全6曲収録

 

 

ハンブレッダーズ “Cagayake!BOYZ” ワンマンツアー

2019年3月23日(土)東京都・渋谷 Club QUATTRO

2019年3月30日(土)愛知県・名古屋 CLUB UPSET

2019年3月31日(日)大阪府・梅田 CLUB QUATTRO

 

 

 

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