■最新作の世界観を新潟で味わえる!

 

 以上のように、角松さんにとって新たな試みを重ねて完成させた最新のミニアルバム「東京少年少女」に収録された曲を、5月26日(日)に新潟県民会館で行われるライブで体験できることになりました。

 

「今回のライブでは、始まりの部分とアンコールに向けての部分で、これまでの僕の代表曲をたくさん楽しんでいただくことにしています。そして、その中間部で、『東京少年少女』に入れた曲をミニアルバムの収録順通りに披露します、もちろんレコーディングに参加してもらったお二人にも加わってもらって。今までの曲と最新作の曲のコントラストで、新しい角松敏生の音楽の世界を生み出せたらと考えています」

 

 最新作を披露する部分では、新潟だけの演出も加わるそうです。

 

「最新作は、もともとが『架空のミュージカル』ですから、ダンスを加えたら、もっとお客さんに楽しんでもらえるだろうと考えたんです。ならば、誰に踊ってもらうか? それで思いついたのが、今度のツアーでライブを行うそれぞれの街で、ダンスをしている人たちにパフォーマンスをお願いすることでした。振り付けも、その人たちに任せて、僕の曲に合わせて自由に踊ってもらう。そうすれば、その街だけの特別なステージが生まれるはずだと思ったんです。新潟で踊ってもらうのは、『新潟総踊り』でも積極的に活動している方々を中心としたメンバー。先日、初めて直接お目にかかって、ライブ当日に向けてすでに練習している映像も見せてもらいました。そのダンスが僕の曲と1つになって、当日、会場にいらっしゃるお客さんにどんなふうに楽しんでいただけるか、僕も期待しています」

 

■40周年に向けた次なる目標

 

 こうしたライブを作り上げることで、角松さんの中では、デビュー40周年に向けた次なる目標がすでに生まれ始めているようです。

「最終的に目指すところを一言で表せば、『総合エンターテインメント』です。ただ、僕が目指す総合エンターテインメントが、ほかのそれとは違うのは、頂点を占めるのが、音楽家、つまり僕自身だということです。例えば、映画も総合エンターテイメントといわれることがありますけど、映画の場合はトップにプロデューサー、最近ではさらにその上に、エグゼクティブプロデューサーがいて、その人たちの企画を監督が作品化する。そこでの音楽家の役割は、監督の意図を音楽という形にすることです。舞台やミュージカルも同じですね。まずプロデューサーがいて、次が演出家と脚本家。そして音楽家は、演出家が求める音楽を作り、出演者は演出家に言われる通りの演技をする。そうではなくて、僕がやってみたいのは、最初に音楽があって、それをお客さんの目に見える形にするストーリーが生まれて、そこから必要な演技やダンスができていくということです。それに近いプロセスで、海外ではアンドリュー・ロイド=ウエバーのような人たちが、すでにヒット作をたくさん生み出しています。僕が思い描くのは、そういう作品とはまた違うものになると思いますけど、40周年を迎える2021年を1つの区切りとして、何か今までになかったことを実現するというのが、現時点での目標です」

 

 

 

◎公演情報

TOSHIKI KADOMATSU
Performance 2019 “Tokyo Boys & Girls ”

【会場】新潟県民会館 

【日時】5月26日(日)17時30分開催 

【料金】9,000円(全席指定)

【備考】チケット/発売中。3歳以上チケット必要。座席が必要な場合は3歳未満でも要チケット。

【お問い合わせ】サウンドソニック ☎076-291-7800

 

かどまつ・としき●1981年6月、シングル「YOKOHAMA Twilight Time」、アルバム「Sea Breeze」を同時にリリースし、デビュー。自身の活動とともに、杏里、中山美穂らのプロデュースを手掛けてきた。97年、自らを変名で隠し結成したバンド、AGHARTA(アガルタ)で「ILE AIYE(イレアイエ)~WAになっておどろう」を発表。この曲を翌年2月の長野冬季五輪閉会式にバンドとして登場し、披露した。デビュー25周年、30周年、35周年にはいずれも、横浜アリーナを会場に、大規模な単独でのライブを行っている。