■20年の間に変わらないこと、変わったこと

 

そのCDに収められたSURFACEの新たな音楽からは、2人のコンビネーションが変わっていないことをひしひしと感じられます。それと同時に、現代社会、特に都会での暮らしから生まれるリアルな言葉が続く歌詞が、軽快で明るい音の連なりにのせて歌われている本作には、今という時代が的確に反映されています。

 

椎名さん「デビューのときから、SURFACEの歌詞は、歌う僕自身が手掛けてきました。それは今も変わりません。永谷が弾くギターの、ちょっとした1つのフレーズ、そして、その音色、そういうものから触発されて、歌う言葉を探してきたんです。それが積み重なって、SURFACEの曲として、メロディーが欲する歌詞になっていく。そのやり方は変わりようがないし、それを続けるのが、SURFACEの使命だと思うんです」

 

永谷さん「ただ、20年という時間の流れとともに、僕のギターにも変化は生じていると思います。デビューからしばらくは、若さにまかせて弾きまくっていたんですよ(笑)。でも、楽曲提供や編曲のように違う立場で音楽に関わったり、いろいろな場で演奏するようになって、今はSURFACEの音楽に、以前とは別のアプローチもできるようになりました。それでも、椎名くんの華やかな声を生かして、皆さんに楽しんでもらえる、そして前向きな気持ちになってもらえる音楽を届ける。これだけは、SURFACEの一員として、変わることはありません」

 

椎名さん「SURFACEの活動は、自分たち自身の手で一度休止という形で『OFF』にしたんです。それを今、再起動させたら、どんな音楽が生まれるか。そう期待して、今度のアルバムを『ON』というタイトルにしました」

 

 

 

■再始動したSURFACEとして再び新潟に

 

そうやって作り上げられたニューアルバムは、単にかつてのSURFACEを再現したのではなく、さらに個性を進化させ、現代に生きる音楽として鮮明に表現されているといっていいでしょう。そのアルバムをリリースしてすぐに行われる新潟でのライブは、その鮮度を保ったまま、彼らの音楽が届けられることになりそうです。

 

椎名さん「新潟では、活動を休止している間もソロライブをしていましたが、こうしてSURFACEとして戻って来られることを、とてもうれしく思っています。20年を超えた今も僕らを支えてくださっている皆さんへの感謝の気持ちを、ステージから音楽で伝えられるように歌うことをお約束します」

 

永谷さん「僕は新潟に親しくしている友人がいるので、時々訪ねては、自然の風景や美味しいものを楽しませてもらっているんですよ。そういう場所に、今のSURFACEの音楽を届けられるのは、とても幸せなことです。ですから、当日の会場にいらっしゃる皆さんには、僕以上に幸せな気持ちになってもらえることを願って、ステージに臨みたいと思っています」

 

 

◎公演情報

【会場】studio NEXS

【日時】7月28日(日)17時30分開演 

【料金】6,000円(スタンディング・ドリンク代別)

【備考】チケット/発売中。未就学児入場不可。学生キャッシュバックあり(要学生証提示)

【お問い合わせ】FOB新潟 ☎025-229-5000

 

 

さーふぃす●1998年のデビュー以降、21作のシングルと6作のオリジナルアルバムをリリース。活動を休止した2010年には、それまでの代表曲を収録したベストアルバム「Last Attraction」が発売された。18年の再始動後は、SURFACEとしての活動とともに、19年5月には、松任谷由実や一青窈の編曲などで知られる武部聡志とコラボレートしたライブを東京で行っている。