りゅーとぴあ演劇スタジオ キッズ・コースに所属する、個性豊かな子どもたちからなる劇団・APRICOT(アプリコット)。演劇に関わる若い人材を育成し、新潟から豊かな舞台芸術を発信しようと、2001年にスタートし、今年で18年目を迎えます。メンバーは、小学4年から高校3年まで総勢59名。専門講師による演技や歌、ダンスのレッスンを受けながら、毎年夏と春に、子どもから大人まで誰もが楽しめる本格的な作品を上演しています。

 

そんなAPRICOTがこの夏挑戦するのは、アメリカの作家カレン・ヘスによる児童文学の名作、「リフカの旅」。舞台は1919年のウクライナから始まります。12歳の少女リフカは、ユダヤ人迫害から逃れるために、故郷を離れ家族とともにアメリカへ亡命することに。大好きな人との別れ、伝染病など、数々の困難に見舞われながらも、希望を失わずに旅を続けるリフカの姿が、見る人の心を揺さぶります。この物語をAPRICOTがどんな舞台に仕上げるのか、目が離せません!

 

今回は、8月10日(土)、11日(日・祝)、12日(月・振休)の本番を目前に控えたAPRICOTから、昨年の夏季公演「ハイジ」に続き主演を務める、早川杏(はやかわ あん)さんにインタビュー。記事の後半では稽古の様子もお届けします!

 

 

 

――昨年に引き続き主演ですね。そもそも、どんなきっかけでAPRICOTに入ったのですか?

 

早川杏さん

 

「もともとはお母さんがりゅーとぴあのポスターをみて、勧めてくれたんです。幼稚園や小学校の発表会で歌っている私の様子をみて、演劇に向いてるんじゃないかって。でもすぐに入団しなよという感じではなくて、最初はワークショップに参加してみたら?という感じでした。それで3年生のときに参加したらとても楽しくて、4年生のとき正式に入団しました」

 

――実際に入団してみていかがですか?

 

「はじめは、あまり乗り気じゃないというか、演劇ってよくわからないなあと感じていたのですが、参加してみたら先輩たちが優しく教えてくれて。この人たちと一緒なら私でも楽しくできるかも!と思ったんです。今もその印象どおり、いっぱいアドバイスをくれて、とっても楽しいです」

 

――舞台では歌うシーンもありますよね。人前で歌うのは緊張しませんか?

 

「舞台の上でなら全然緊張しないんです。こういうインタビューは少し緊張しちゃうんですけど(笑)、舞台に上がればもう大丈夫。元々歌うのが大好きで、学校の発表会でも堂々と歌えていたので」

 

――今回の物語、そして主人公のリフカについてはどう感じましたか?

 

「物語のテーマはすごく重いんです。ユダヤ人だからと迫害されながら、自分の生まれ育った町を離れて遠くの国に逃げる。そんな辛い状況でも、希望を失わずにたくましく生きる女の子が主人公のリフカ。私と同じ12歳で、とっても強くて賢い女の子です。あとはすごくおしゃべりなところが、私とそっくり。演技のときは役に感情移入しながら、『こんなとき自分だったらどう感じるのかな』と考えながら練習しています。大事なのは自分の気持ちとリフカの気持ちを重ねること。今回はそれがとても大変ですね。今はまだ65点くらい。本番まで、リフカの気持ちをいっぱい考えたいです」

 

――ありがとうございます。今回の見所を教えてください。

 

「やっぱり歌ですね。去年のハイジと比べても歌のパートが多いんです。私のお気に入りは、物語の後半でいとこのトヴァと歌うシーン。トヴァ役のお姉さんとは仲良しで、どんな風に歌おうか相談するのも楽しいです。あとは、歌と動きを合わせるのも難しくて。ステージでは、ぴったり合わせたものをお見せできるはずです!」

 

――ありがとうございます。最後に、公演を楽しみにしている方々にメッセージをお願いします!

 

 

「『リフカの旅』は、大人から子どもまで誰もが楽しめる舞台になると思います。皆さんに物語の世界に入り込んでもらえるよう、精一杯がんばります。ぜひ遊びに来てください!」

 

 

インタビューは苦手と話しながら、ゆっくりと自分の言葉で語ってくれた杏さん。はにかんだ笑顔がとてもキュートな、普通の女の子という印象でした。取材時は少し緊張気味でしたが、家や学校ではとってもおしゃべりだそう。続いて、特別に稽古を見学させてもらえることになりました!

 

稽古場に突入! (次のページへ)