新潟を拠点に、1MC1DJのユニットとして活動を続けるTATSUとWATARUの2人組、YOUR FRIENDS。彼らが今年4月に発表した「蝶と超」、そして9月29日(日)に出す「Tokiyo」、ともに配信リリースとなった新たな楽曲は、どちらもこれまでの彼らの音楽とは少し違った印象を与えます。この音楽性の変化は、どんな理由から生じてきたのでしょうか? 2人に話してもらいました。

 

WATARU「実は、この2曲を作り始めるちょっと前から、活動のすべてを僕ら2人だけでやることを決めたんです。それまでは、一緒にやってくれるスタッフの人たちが近くにいてくれて、曲作りのうえで助言をしてくれたり、CDを制作して多くの皆さんに届けるために必要な細々したことをサポートしてくれていました。でも、そうやって初めてのシングルを出してから13年間も活動を続けてきて、これからは僕ら2人だけでやっていこうと思うようになったんです」

 

TATSU「もちろん、その13年間、誰より僕らを支えてきてくれたのは、ライブに集まってくれるお客さんをはじめ、YOUR FRIENDSの音楽を好きでいてくれる皆さんです。そういう皆さんが支えてきてくれたことに応えるために、音楽的な面はもちろん、大げさに聞こえるかもしれませんけれど心構えの面でも、僕ら自身が変わって、今までとは違うことに挑んでいくことにしたんです」

 

曲作り、レコーディング、ライブをはじめ、それらを実現するために必要な裏側の仕事に至るまでを2人だけで行うと決めたYOUR FRIENDS。そんな思い切った決断ができたのは、2人が話すように、彼らの音楽と活動を支えてくれる多くの人たちがいるからこそ。

 

TATSU「だからといって、今度の新曲も含めて、僕らがこれからやりたいのは、お客さんにコビるということとは、まったく違うことです。むしろ、僕らがいいと信じる音楽的な感覚と歌詞を通して伝えるメッセージを、自信を持って、今まで以上に多くの人たちに届けることなんです」

 

WATARU「正直に言って今までは、どんな曲を作ったらライブでお客さんたちが喜んでくれるかということを、僕らが先回りして、期待に応えようとしたこともあったんです。言ってみれば、お客さんに合わせて、僕らが本当にやりたいこと、本当にやるべき音楽的な志向性を抑えていたことがあったんですね。だけど、それは逆に、僕らの音楽を好きでいてくれる人たちに対して失礼なことだと、今は思うんですよ。だから、これからは、本当に僕ら自身がいいと思う曲を作って、その曲で活動を続けていこうと思っています」

 

 

■活動体制とともに変わった音楽性

 

 2人が本当にいいと、自信を持って示せること。それは、冒頭で触れた2つの新曲にはっきりと表れているようです。2曲は、それぞれ曲調は異なるものの、今という時代の空気と共振する音の感触、そして、その音色にシンクロするように流れるメロディー、さらにメロディーとリズムを強く印象づける言葉が歌詞に選ばれています。

 

WATARU「リズムと音色を決めることについては、13年間の活動で身についた技術的なことを今ままで以上に生かせたと思います。どちらも今はコンピューターを使えば、かなり自由にできますから、いいと思えるアイデアが浮かんだら、何でも試してみることができました。それに編曲と具体的な録音作業に関しても、今は僕1人でやっているので、TATSUと話し合いながら、妥協せずに最後まで作り上げています。そういう技術的な部分も、以前に比べてレベルアップできているので、音楽的な可能性ということでも、やれることの範囲は前より広がっていると思います」

 

TATSU「音楽として自由にやれる範囲が広がったことで、今までより高い水準で、僕らが本当に伝えたいことを曲にできています。この2曲を新たなきっかけにして、これからどんどん、皆さんに届けていきたいですね」

 

「今までの僕らを超えていけるよう力を尽くしたいです」(次のページへ)