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5月に自身初の新潟ライブ!シンガーソングライター・Karin.が歌う理由

【お知らせ】

5月4日(月・祝)に予定されていた「NIIGATA RAINBOW ROCK 2020」は、新型コロナウイルスの感染拡大を考慮し、開催中止となりました。チケットの払い戻し等に関する情報は、オフィシャルHPをご確認ください。

 

2001年5月30日生まれ、茨城県出身のシンガーソングライター・Karin.(カリン)。2019年夏にファーストアルバム「アイデンティティクライシス」でデビューを果たすと、一度聴いたら忘れられない印象的な歌声と、日常を鋭く繊細な感性で描いたセンセーショナルな歌詞で話題に。2020年2月には早くもセカンドアルバム「メランコリックモラトリアム」をリリースし、同世代を中心にますます大きな注目を集めています。2020年5月には新潟市で行われるサーキットイベント「NIIGATA RAINBOW ROCK 2020」への出演も決まっているKarin.さんに、歌い始めた理由、そして、歌い続ける理由を聞きました。

 

■「どうしても人前で弾きたくなっちゃったんです」

 

Karin.さんの楽曲には「教室」「チャイム」など学校生活にまつわる言葉が度々登場します。2020年3月に高校卒業を迎えますが、今はどんな気持ちですか?

 

「卒業式が終わったら、すべて終わってしまうと思うとさみしいですし、もうちょっと学生らしいことをしておけばよかったと思うこともあります。嫌なこともたくさんあったけど、振り返るとやっぱり楽しかったです」

 

高校卒業後は、東京に拠点を移し、音楽活動を続けていくKarin.さん。「常に現実モードだったので、音楽で生きていくなんて想像もしていなかったです」と話すKarin.さんが、自分で曲を作り、人前で歌い始めるきっかけはなんだったのでしょうか?

 

「高校1年生の頃にギターを始めて、最初は趣味程度だったんですけど、どうしても人前で弾きたくなっちゃったんです。それで、高校2年生の時に水戸のライブハウスに行って、『ライブに出たいです!』って相談したら、『どうぞ』って言ってもらえました。その時に『せっかくだし自分で1曲ぐらい作ってみたら』って言われたので、『わかりました』って言ってすぐに作りました。それが、前作に入っている『あたしの嫌いな歌』っていう曲です。自分の入れたい言葉を全部入れたので、これって曲になってるのかなと不安でしたが、ライブで歌ったら反応がすごく良かったんです。いろんな方が褒めてくれたので、『これでいいんだ』って思えました。それからも少しずつ探りながら作っています(笑)

 

それまで人前で歌ったことがなかったというKarin.さんにとって、ステージに立つことはとても印象的な出来事になったそうです。

 

「ライブにはほかの出演者もいますし、やっぱり遊びじゃないから、真剣にやりました。ライブの時は、自分だけにスポットライトが当たるわけじゃないですか。その時間は全部私の物。私が空間を作り上げることができるって考えた時にすごくワクワクしたんですよ。スポットライトが当たっている時間が夢みたいに感じて、次の日学校で授業を受けているときに昨日の私って何だったんだろう、現実だったのかなって思いました。それからライブを続けているうちに、事務所の方に声をかけてもらってデビューの話が進んでいきました。今歌っている楽曲は学生だからこそ書けるものが多かったので、高校生のうちにリリースしようとなり、私も最初は思い出作りくらいに思っていたのですが、だんだん音楽をすることが楽しくなりました」

 

 

こうして完成したファーストアルバム「アイデンティティクライシス」。大きな反響を生んだ本作ですが、めまぐるしく変化する環境の中でKarin.さんには葛藤もあったといいます。

 

「真剣に音楽で生きている人たちと同じ現場にいるようになってから全然曲が書けなくなってしまいました。『こんな曲を書いたら喜ばれるのかな?』って考え始めたら全然うまくいかなくて。今歌っている私を好きだって言ってくれる人も、私が歌わなくなったら必要としてもらえなくなるんじゃないかなとか、いろいろ考えてしまったんです。ライブハウスで自分の出番の直前に、歌うのが嫌で大号泣したこともあります。でもその時に、誰も私に期待してないって思えばいいと思ったんです。それで好きに曲を作り始めたら、解放された瞬間にいろんな感情が出てきて、そこからはすごく楽しくできています」

 

同世代を中心に支持を集めているKarin.さん。前作に収録されている「青春脱衣所」のMVが動画サイトで公開されると80万回以上再生され、1,000件近くにも及ぶコメントが寄せられました。

 

「思っていたより自分の理想的なコメント欄だったんです。私は、曲に対する感想よりも自分の出来事を書いてほしいなって思っていました。そうしたら、みんな自分のことを書いてくれていて、それがすごくうれしかったです。こんなに見てくれる人がいるのかって感動しました。一方で、はたしてこの人達って本当に実在するのかなって不安にもなって(笑)。年末に何本かライブに出演させてもらったときに、私の歌を聴きに来てくれるお客さんがいて、『あ、本当にいた!』って実感できてうれしかったですね」

 

「つらい思いや今まで感じてきたことを表現するなら、その役目を果たすのは私がいい」(次のページへ)

 

 

■「思っていることを素直に歌詞にすることがわたしの中で一番大切なこと」

 

葛藤を乗り越え、今は音楽に楽しく向き合えているというKarin.さん。高校卒業を目前に控えた2020年2月にリリースしたセカンドアルバム「メランコリックモラトリアム」には、今のKarin.さんの感情が詰まっています。

 

「高校生としてリリースできる最後の作品って考えたときに、これを出したら大人にならなきゃいけないなって思ったんです。でも、大人になることを考えたときに、不安や憂鬱(ゆううつ)を感じて。そんな子どもと大人の境目で揺れ動く思いをタイトルに込めました。『このタイトルじゃなかったら海に沈みます』ってスタッフさんに宣言したくらい(笑)。納得のいくタイトルに決まってすごくうれしいです」

 

 

タイトル通り、本作に収録されている8曲には、子どもと大人の狭間にいるKarin.さんだからこそ描ける世界がぎゅっと詰まっています。本作の1曲目に収録されている「命の使い方」もその一つ。シンプルなピアノ伴奏にのせられたKarin.さんの切実なメッセージが胸にじんわりと響きます。

 

「自宅のある茨城から東京に向かう間、特急に乗って1時間半くらいかかるのですが、いつも映画やアニメを見ているんです。それで『ムーミン』を見ていた時に、人間性を否定され続けて、声も形もすべて消えてしまった『ニンニ』というキャラクターが登場して。それを見たときに私はニンニのことを何も知らないのに、この回だけを見てかわいそうだなって決めつけてしまったんです。でも、そう思ってしまう自分が一番かわいそうだと気付いたときに、なんで生き方に正解とか不正解とか求めたがるんだろうって疑問が浮かびました。自分から命を終わりにする人もいますが、その人達を美化したり、一方でもったいないって他者が決めたりすることは間違っているんじゃないかと思ってこの曲を作りました」

 

この曲の中では、正解が提示されているわけではありませんが、聴く人に「命の使い方」を考えさせる大きな力を持っています。Karin.さんの歌がここまで説得力を持っているのは、Karin.さん自身の強い思いが込められているからこそ。

 

「思っていることを素直に歌詞にすることが私の中で一番大切です。ずっと『ここで本音を言ってしまったら、場の雰囲気が壊れてしまうかもしれない』って空気を読むタイプでした。でも言わないと伝わらないこともあります。自分の思い通りにならないまま物事が進んでいって、ずっとモヤモヤして。でも、歌にしたら自然と自分が思っていることを、言えるようになりました。それに、ほかの人には私みたいに自分の気持ちを押し殺してほしくないって思ったんです。今まではずっと人任せにしていたので、つらい思いや今まで感じてきたことを表現するなら、その役目を果たすのは私がいい。日記を公開しているみたいで最初は戸惑いもあったけど、聴いてくれている人が『私だけじゃない』って感じてくれることで、私自身も救われているといつも感じています」

 

Karin.さんの言葉からは、これから進む道への覚悟と決意、自分を見つけてくれたリスナーへの感謝の気持ちを感じました。そんな彼女の歌を5月には新潟で聴くことができます。初という新潟でのライブは絶対に見逃せません。

 

「今日人生で初めて新潟に来ました。お米がすごく好きなので地元(茨城)の納豆と食べたいなって思っています。ライブはバンド編成で、自分のやりたいことをそのまま歌にします。ぜひ自分の生活を思い浮かべて聴いてもらえたらうれしいです」

 

丁寧な言葉で素直な気持ちを話してくれたKarin.さん。歌を通して感じていた、彼女の不思議な引力の理由に触れられたような気がしました。Karin.さんの歌声をライブで聴けることが、今からとても楽しみです。皆さんもぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?

 

 

 

◎公演情報

NIIGATA RAINBOW ROCK 2020

【会場】新潟市内11会場

【日時】2020年5月4日(月・祝)12時開催※開催中止となりました

【料金】4,500円(スタンディング)

【備考】チケット/発売中。未就学児入場不可。詳細はHP参照

【お問い合わせ】キョードー北陸チケットセンター TEL:025-245-5100

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