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体当たりで熱演! 映画「いぬむこいり」有森也実さんインタビュー

(c)2016 INUMUKOIRI PROJECT

 

1990年代はトレンディードラマで一世を風靡(ふうび)し、近年はドラマや舞台などで幅広く活躍している女優・有森也実さん。彼女が主演を務めた映画「いぬむこいり」が1/6(土)からシネ・ウインドで公開されています。この初日に行われた舞台あいさつ・サイン会で新潟を訪れた有森さんにインタビューを敢行。伝承民話である「犬婿入り」をモチーフに、シニカルな風刺と得意なエロティシズムが入り乱れる現代絵巻に体当たりで臨んだ彼女の、作品への思いとは?

 

 

-どのような経緯で有森さんに主演のオファーがあったのですか?

「(2008年公開の)『小森生活向上クラブ』という映画で(今作監督の)片嶋監督とご一緒させていただきました。その時、『面白い監督さんなんだな。変わった作品を撮られる方なんだな』って思っていたんです。そこから交流があって、『また映画(一緒に)やりたいよね』って話をしていたんです。その中で出てきた企画の候補の中の1つだったんですね。ですからオファーというよりは、その企画が形付いていったという感じなんです」

 

(c)2016 INUMUKOIRI PROJECT

 

-片嶋監督のどのあたりが面白いと感じましたか?

「一言では言い表せないんですが、独特の色彩感とシリアスでシュールなものをはじけた感覚で捉えられる人。すごく面白くて特徴的だなと思います」

 

(c)2016 INUMUKOIRI PROJECT

 

-ドラマや舞台の印象が強い視聴者にとって、有森さんが「いぬむこいり」に主演されるのは意外でした。

「私自身、メジャーな作品もあるんですが、もう少し個性の強い、世界観がハッキリ出た作品を求めていて。元々そういうB面というかマイナーな個性の強い作品の方が好きなんですよね。求められているものがそういうものではないことが多くて……。もちろんドラマや舞台も面白いんですけどね」

 

 

今回の作品は演じない >

 

-元教師で「神のお告げ」を聞いて旅に出るアラフォー女性・梓を熱演されています。役作りはどのように行いましたか?

「今回は『演じない』ということをやりました。今まで(片嶋)監督と一緒にやった作品は、キャラクターが強くて『演じる面白さ』を味わえる作品が多かったんです。(演じる役が)本来の自分から離れていく面白さというか。演技者としてはとても面白いんです。でも今回は、脚本が(私を想定して書かれた)あて書きということもあって『今ある自分そのままでやりたい』と思えたんです。実際、物語の後半は現場に行ってみないとなんともわからない部分もあって。役を構築するにあたっていろいろ考えても『どうせわからない』と思ったので。実際(長期)ロケを通じて(梓を演じたから)にじみ出た部分もあると思います」

 

 

-撮影は鹿児島・指宿で行われたと伺いました。撮影現場の雰囲気はいかがでした?

「戦場のようで、本当に大変だったんですよ。もう二度といやだと思うくらい(笑)。監督とうまく意思疎通が取れなかったんですよ。台風が来てスケジュールが変わったりして監督も大変だったと思います。監督は監督の、私は女優としてのスイッチが入ってすれ違っちゃって。本当に女優を辞めようと思うくらい。『こんな報われない仕事はもういいや』って(笑)。初めてです。こんな作品に出会ったのは。ただ後で後悔するのは絶対嫌なので、最後まで頑張りました(笑)」

 

 

 

いぬ年ですし、縁起物として楽しんで >

(c)2016 INUMUKOIRI PROJECT

 

-できあがった作品、いかがでしたか?

「1回見て『はぁー?私もっと大変だったんだけど』って思いました(笑)。3回見て、やっと面白い映画だなって思えました。周りの反応もさまざまですね。面白いって言ってくれる人もいるし、全然わからないという人もいるし。(私の)ファンの方たちは、ショックで何も手に付かないという人もいますし、『こういう映画には出ないでほしい』という意見もいただきました。片嶋監督の世界観が十分に発揮された作品だと思いました」

 

 

-最後にメッセージをお願いします。

「(シネ・ウインドは)すごくステキな映画館。お客さんもとても映画好きで面白いものを求めている雰囲気が伝わってきます。今回の作品は長尺(約4時間)で見るのも大変ですけど、いぬ年ですし、縁起物のひとつとして楽しんでいただければ幸いです」

 

 

映画「いぬむこいり」は、1/12(金)まで新潟・市民映画館シネ・ウインドで公開。有森さんが体当たりで臨んだ作品をこの機会に見に行こう!

【上映時間】16時25分~20時50分(休憩10分)
【料金】一般2,500円、学生・60歳以上2,200円、会員2,000円
※各種割引あり。詳細は新潟・市民映画館シネ・ウインド(025-243-5530)へ

※上映は終了いたしました。

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