楽曲のオファーから締め切りまで非常にタイトなスケジュールの中、楽曲が完成。すぐにレコーディングの準備に入るなど、プロジェクトは急ピッチに進められました。

 

EasyPop「納期がタイトというのは、どの業界でも当たり前のようにあるので、そこは仕方ないのですが……。ただ、曲のイメージやコンセプトがハッキリしていたので、すぐできましたね。産みの苦しみはゼロに近かったです。ただ曲はできても、レコーディングまでできるのかな、歌い手さん大丈夫かなと思いました」

 

 

久保田「曲ができて、頂いてから1週間後くらいにはレコーディングでした(笑)。曲は、音が(いきなり高い音階へ)ポポポンと飛ぶので難しかったです。大抵の曲は、まず1、2回聴いたら歌詞とメロディーが入ってくるんですけど、それが入ってこなくて。『どうしよう、全然覚えられない』と焦りました。歌詞カードを印刷して“上がる”“下がる”を自分で書いて、音を追って、やっと入ってきた感じです。これをリードボーカルなしで歌えるのかなって不安はありました」

 

 不安を抱えたまま迎えたレコーディング当日。しかし、EasyPopさんをはじめ、スタッフに支えられ、その不安は解消されていったといいます。

 

久保田「実はレコーディング当日、副鼻腔炎、蓄膿症になっていて鼻が詰まっちゃってすごいつらかったんです。加えて、レコーディングが始まる時までずっと迷ってたんですね。頂いた曲を聴かせてもらって『どんな風に歌えばいいですか?』って相談したら、ディレクターから『あんまり声を張ったりせず、歌いあげるんじゃなくて、さらっと歌ってほしい』と言われたんですよ。だから練習で、さらっと歌ってみたりもしたんですけどあんまりしっくりこなくて。じゃあ逆に正反対に振り切って歌ってみてもしっくりこない。どうしようかなと迷っていたんですけど、当日いろいろ阿部さん(EasyPopさんの本名)と相談しながら歌ったら、今の感じが出せるようになりました」

 

 

EasyPop「今聴くと確かにちょっと鼻声っぽいですもんね。ちょっとこもってるんだけど、それがいい味になってるんですよ。確かに、今久保田さんがおっしゃったようにレコーディングの中で完成しましたね。最初のブースに入った時は、ほんとヘロヘロで。でもみんなそうなるんですよ、絶対。結局歌いながら、だんだん『声張ってみるか』ってなって、最後には『好きに歌っちゃえ』って(笑)。そのころにはもうノリノリで。本当に2時間のレコーディングで作り上げたっていう感じなので、ライブ感がある作品になりましたね。でも、レコーディングの中で歌声(歌い方)を固められるのは、器量がないとできないこと。吸収力とそれを瞬時に出す表現力がないと、2時間でなかなかできないんですよ。だから久保田さんはすごいです」

 

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