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リリース予定のない超名曲!? ボカロP×局アナが就活応援ソングを発表!

 皆さんは、EasyPopさんという新潟在住の音楽プロデューサーをご存じでしょうか?彼が主にプロデュースしているのは、初音ミクなどのボーカロイド。ニコニコ動画やYouTubeなどで、ボカロP(ボーカロイド・プロデューサー)として名をはせています。

 

 昨年末、TeNYテレビ新潟が、彼に楽曲製作をオファーしました。それは、2019年度の新卒採用募集に向けた動画のBGMとして流れる楽曲の製作依頼でした。

 

 

EasyPop「もともとリクルートの動画を作るので、そこにクオリティーの高い音楽を付けたいという依頼をいただいたのが始まりでした。新潟の有名なテレビ局さんのリクルートで使われる曲っていったら、めちゃめちゃ大事な曲じゃないですか。すごいやる気が出ました(笑)」

 

 こうしてスタートしたこのプロジェクト。曲のイメージをスタッフと共有しながら打ち合わせを重ねる中で、EasyPopさんは、TeNYテレビ新潟サイドからある提案を受けます。それは、完成した楽曲を現役のアナウンサーが歌うというものでした。

 

EasyPop「もともと歌を入れるつもりだったんですけど、ボカロでもよかったのですがせっかくだし、界隈に歌える方いませんかと話していた時、打ち合わせで久保田さんの名前が出てきたんです。デモを聴かせてもらったんですけど、『うわっ、めちゃくちゃうまい』って思いました」

 

 名前の挙がった久保田紗也加さんは、「夕方ワイド新潟一番 1部」などを担当している同局の人気アナウンサー。学生時代に某有名レーベルに歌手としてスカウトされた経験があるほど、歌唱力に定評がありました。久保田さんは戸惑いながらも、このプロジェクトの依頼を快諾します。

 

 

久保田「お話をいただいた時、『どういうこと?』ってびっくりして、『仕事で歌うんですよね?』って確認しました(笑)。こんな仕事をいただけると思わなかったので、(就活生を応援するという意味で)私にできるかなと不安な部分もありましたが、頑張りました」

 

「アクシデントがあったレコーディング」(次のページへ)

 楽曲のオファーから締め切りまで非常にタイトなスケジュールの中、楽曲が完成。すぐにレコーディングの準備に入るなど、プロジェクトは急ピッチに進められました。

 

EasyPop「納期がタイトというのは、どの業界でも当たり前のようにあるので、そこは仕方ないのですが……。ただ、曲のイメージやコンセプトがハッキリしていたので、すぐできましたね。産みの苦しみはゼロに近かったです。ただ曲はできても、レコーディングまでできるのかな、歌い手さん大丈夫かなと思いました」

 

 

久保田「曲ができて、頂いてから1週間後くらいにはレコーディングでした(笑)。曲は、音が(いきなり高い音階へ)ポポポンと飛ぶので難しかったです。大抵の曲は、まず1、2回聴いたら歌詞とメロディーが入ってくるんですけど、それが入ってこなくて。『どうしよう、全然覚えられない』と焦りました。歌詞カードを印刷して“上がる”“下がる”を自分で書いて、音を追って、やっと入ってきた感じです。これをリードボーカルなしで歌えるのかなって不安はありました」

 

 不安を抱えたまま迎えたレコーディング当日。しかし、EasyPopさんをはじめ、スタッフに支えられ、その不安は解消されていったといいます。

 

久保田「実はレコーディング当日、副鼻腔炎、蓄膿症になっていて鼻が詰まっちゃってすごいつらかったんです。加えて、レコーディングが始まる時までずっと迷ってたんですね。頂いた曲を聴かせてもらって『どんな風に歌えばいいですか?』って相談したら、ディレクターから『あんまり声を張ったりせず、歌いあげるんじゃなくて、さらっと歌ってほしい』と言われたんですよ。だから練習で、さらっと歌ってみたりもしたんですけどあんまりしっくりこなくて。じゃあ逆に正反対に振り切って歌ってみてもしっくりこない。どうしようかなと迷っていたんですけど、当日いろいろ阿部さん(EasyPopさんの本名)と相談しながら歌ったら、今の感じが出せるようになりました」

 

 

EasyPop「今聴くと確かにちょっと鼻声っぽいですもんね。ちょっとこもってるんだけど、それがいい味になってるんですよ。確かに、今久保田さんがおっしゃったようにレコーディングの中で完成しましたね。最初のブースに入った時は、ほんとヘロヘロで。でもみんなそうなるんですよ、絶対。結局歌いながら、だんだん『声張ってみるか』ってなって、最後には『好きに歌っちゃえ』って(笑)。そのころにはもうノリノリで。本当に2時間のレコーディングで作り上げたっていう感じなので、ライブ感がある作品になりましたね。でも、レコーディングの中で歌声(歌い方)を固められるのは、器量がないとできないこと。吸収力とそれを瞬時に出す表現力がないと、2時間でなかなかできないんですよ。だから久保田さんはすごいです」

 

「リリースの予定はないけど動画で……」(次のページへ)

 こうして完成した楽曲「僕が見えないもの」は、明るくメロディアスな旋律に、メッセージ性の強い歌詞がのったポップなナンバー。就職活動中の学生以外の人たちも励まされる楽曲に仕上がっています。

 

 

EasyPop「就職という人生の分岐点で、(他人である自分は)いいとも悪いとも言わない。人生決めるのは自分なんだから自分で決めなさい。でもせっかくTeNYさんに入るんだったら、明日から一緒に頑張ろうぜ! そんなイメージで歌詞を書きました」

 

久保田「歌詞がありきたりなメッセージではないんですね。就職試験で落ちると何をしたらいいかも見えないし、どんなふうに明日から頑張ったらいいか分からなくなる。そんな心境が間接的に歌詞に表れているのかなと思います。数年前の自分が、まさにそういう心境だったなって重ね合わせて歌いました。歌詞全体、曲全体を通して誰かの心に寄り添えるような一曲になっていると思います」

 

 

EasyPop「就活の応援ソングとして作りましたけど、広くいろんな人の境遇と割とマッチしやすい内容だと思います。多くの人に聴いていただいて、共感してもらえたらうれしいです」

 

 

久保田「楽曲リリースの予定はないんですけど、ぜひ動画をご覧になっていただきたいですね」

 

 

「僕が見えないもの」TeNY就活2019応援ソング   

 

2019年度TeNY採用動画

 

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