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【ライブレポート】憧れを、現実に。Rafvery、新潟県民会館に立つ

 新潟を拠点に活動するラップボーカルユニット・Rafveryが、4月28日、新潟県民会館で単独ライブを行いました。「Rafveryの挑戦 ~県民会館までの道のり~ STAGE FINAL 県民会館」と銘打たれたこの日のライブは、メンバーの2人が以前から目標に掲げていたもの。「県民会館までの道のり」と題し、新潟県内各地のさまざまな会場でライブを重ね、その「STAGE FINAL」を県内最大級の観衆を収容する大ホールで行うというものです。

 

 長く目標として目指してきたライブが実現したこの日、来場した人たちに1人ずつ、手渡されたカードには、メンバーのU-HEYさん、KAZZさんからのメッセージがしたためられていました。そこには、自分たちの願いをかなえてもらえたことへの感謝の言葉とともに、ようやく現実のものとなったこのライブを、会場の人たちも一緒に素晴らしい時間と空間として作り上げ、しっかりと記憶に刻みつけようと、より深い連帯を呼びかけられていました。このメッセージカードから、彼らのこの日のライブに対する思い、真意が推察できます。

 

 

 開演予定時刻の午後6時を少し過ぎて客席の灯りが落とされると、Rafveryと共に曲作りを続けてきたDJ・TA★1が繰り出すビートにのって、U-HEYさんとKAZZさんがステージに登場。新潟市のダンススクールから「THUGH-OMEY」と「STAR SOLDIERZ」が「Friending Dancers」として加わります。ダンサー陣のダイナミックな動きとともに「県民会館! 楽しんでいきましょう!!」というU-HEYさんの元気な声に続いて、「Run to fly ~掴みとる夢~」でライブがスタート。新潟アルビレックスBBの2011~12年シーズンのオフィシャルソングとなり、Rafveryが新潟県内で広く認知されるきっかけとなったこの曲で、ライブの始まりを待ちかねていた客席ともども、会場全体が大きく盛り上がります。

 

 

 

 

「アップチューンからバラードへ」(次のページへ)

 1曲目の勢いのまま、テンポの速い、ノリのいい曲が立て続けに披露され、お客さんはヒートアップ。MCでKAZZさんが「この舞台に立つのが夢だった。自分たちの曲を聴いてくれる人たちとのたくさんのつながりが生まれたから、今日こうして僕らの音楽を届けられています」と、あらためて感謝の思いを伝えます。そして、「笑顔のままで」「恋人岬 ~your song~」という人気曲で、Rafveryのもう1つの魅力である優しくしっとりと歌い上げる側面も見せてくれました。

 

 

 バラードを歌い終えるとステージに現れたのは、Rafveryとはライブでは何度も共演してきた、東京在住のシンガーソングライターのH!dE。披露されたシングル「奇跡の絆 Friending  H!dE」(誰とコラボするときも、「Featuring~」ではなく、必ず「Friending~」と表記するのがいかにもRafveryらしい)は、RafveryとH!dEとの親密で温かな関係を実感させてくれました。
 温かく和やかなムードが残る中、ステージ中央にはなんと提灯(ちょうちん)が運び込まれます。これは、この日のライブの前売りチケットを1人でも多くの人に買ってもらおうと、彼らが県内各地の飲食店などに飛び込みで続けてきた「流し」としてのパフォーマンスを再現し楽しんでもらおうという演出。「ギター歴実質5ヵ月」のKAZZさんが奏でる和音にのせて、「風見鶏」を歌いお客さんを喜ばせました。

 

 

 続いて呼び込まれたのは、長岡を拠点に活動するアコースティックデュオ・ひなた。Rafveryとは「ひなベリー」と名乗って、路上ライブなどでも一緒に歌ってきただけに、息もピッタリ。4人で歌った「MY HOME」では、DJによるビートばかりでなく、アコースティックギターの伴奏でも自分たちらしさをしっかり表現できるRafveryの音楽性の幅の広さも印象づけました。

 

「ライブもいよいよ最終盤」(次のページへ)

 続いては、メンバーそれぞれのソロのコーナー。まずはKAZZさんが、育った上越の情景の中で、実の兄と肩を並べて歩く映像をバックに「兄弟歌」を披露。一方のU-HEYさんは、実の兄であると同時に、新潟のヒップホップ界をリードしてきたラッパーのUSU a.k.a. SQUEZと兄弟でラップ。「兄がいたから音楽を続けられた」と感謝の気持ちを表すとともに、ラッパーとしての高いスキルを持つことも示しました。

 

 

 

 さらに、Rafveryにとっては最も重要な「Friending」仲間といっていい、北海道出身の3人組ユニット・ブレエメンの出番。派手で目を引くビジュアルで客席をどよめかせながら、5人で声を重ねる「ODORE!!! Friending ブレエメン」でライブをクライマックスへと誘導します。
 再び2人で、「かあちゃん アナタへ」「太陽の道」「WAVE YOUR FLAG」と代表的な曲でいったんは、ライブが締めくくられますが、鳴りやまない拍手と歓声に応えて、もちろんすぐにアンコール。まず「来年、この時期、再びこの会場でライブをやることを決めました」とKAZZさんが宣言。この日、ステージに立った全員、それに新潟市万代地区のゆるキャラ「ばんにゃい」も加わって、最後の「ファンファーレ」では、お客さんが回すタオルが、客席を覆いつくし大盛り上がりのままライブは幕を閉じました。
 クロージングに観客と出演者という区別を超えて、共に記念写真の撮影。ライブの始まりに2人が呼びかけた「連帯」によって、素晴らしい一夜が作り上げられました。憧れを現実のものにした彼らの今後にさらに注目です。

 

 

 

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