こちらはクボタグッズのコーナー。帽子やジャンパー、そして子どもたちに大人気のミニカーやチョロQなんかも置いているんですよ。ちょうど人波が途切れた時を目がけてシャッターを切ったためお客さんはまばらに見えますが、こちらもかなりの大盛況でした!

農家さんたちは農業関連のイベントや会合に参加する際、それぞれ“ひいき”にしている農機メーカーの帽子をかぶって来場することが多いのだそうで、クボタのご担当者さんたちは、「クボタロゴ」の入った帽子をかぶっている方がどれくらいいるか、毎回楽しみにされているんだそうです。なんだかいいお話ですよね。

さらに会場を奥に進んでいくとビッグサプライズが…!そう。近年話題の「ドローン」です。クボタはドローンブーム到来の折、いち早くドローンの農業転用を研究。田畑に農薬を散布する「農業用マルチローター」として製品化を実現したんだとか。驚かされるのは、このドローンの操縦研修をもクボタが主催していること。こうしたサポート体制があれば、安心して購入することができますね。

さらに後述するクボタの営農支援サービス「クボタ・スマート・アグリシステム(KSAS)」(ケーサス)をドローンと連動させることにより、田畑毎の散布計画の作成、散布履歴の確認、植生診断(葉色判定)などを行うことで区画ごとの作業最適化と高品質・高収量化を実現します。「ただドローンで薬剤を散布するだけ」で終わらない、というところがポイントです。

この「KSAS」がすごいのです!上述のドローンだけでなく、KSASに対応したクボタ農機であれば、その作業・収穫データがクラウド環境に集約・蓄積されるのです。肥料の種類や量といった収穫計画に関するデータから、いつ、だれが、どの農機で何をしたのかという作業の進捗までを一元管理することができます。

また、オプションによっては、農機内部の機構が収穫物のタンパク含有率や水分含有率といった「食味」データまでをもリアルタイムで収集することができる(すごい!)ので、品質や収量のムラを徹底的に無くすことはもちろん、科学的データに基づいた、よりチャレンジングな農業経営が可能になるのです。ドローンにクラウド(雲)。未来の農業のキーワードは「空」にあったのですね!

生産の過程で農機に不具合やメンテナンスの必要が生じた際には、KSASデータを通じてクボタがそれを感知。農家さんのフォローアップも行います。単なる「販売」という枠を超え、農家に寄り添い、育て、支援することによって農業全体の未来に働きかけんとするクボタの精神を体現したようなシステムでした。

今回のイベントに足を運んでみて分かったことは、クボタがもはや「農機や農具」のメーカーではなく、「日本の農業の未来」を作っているメーカーなのだということ。

 

跡継ぎ問題に長年さらされている農業という産業において、ベテラン農家さんたちが持つ「長年の勘」をいかに継承し、また、これまで以上の生産量と品質をいかに少ない労力で確保できるかがカギになります。

 

一見クボタは、それをテクノロジーの力だけで突破しようとしているように見えますが、その根底にあるのは日本の農業に対するどこまでも“アナログ”な情熱なのだと思います。