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農業の新世紀は「空」からやってくる!「クボタサマーフェア2018」体験レポート

2018年7月6日(金)、7日(土)の2日間にわたりハイブ長岡で開催された「クボタサマーフェア2018 in ハイブ長岡」に行ってきました。そう、農機メーカーとして国内シェアNo.1を誇る、あのクボタさんのイベントです!

「農機メーカーさんのイベント」と聞いて何を想像するでしょうか。車で農道を走っている際によく見かけるトラクターやコンバイン。それから農薬、スコップ、クワといった伝統的な農機・農具の数々…。私の想像はせいぜいそのくらいのものでしたが、そんな想像を軽々と超える奥深い世界が会場には広がっていたのです…!

会場は長岡市千秋にある「ハイブ長岡」。従業員の方々からの盛大な歓迎を受け、早速入り口の門をくぐります。会場に入ってすぐに目に飛び込んできたのは、成人男性の背丈ほどもある巨大なタイヤを持つ大型トラクタ「M7-151」。ハイパワーでいて、精密かつ多彩な作業をこなせる最新のハイエンドモデルトラクタです。

無骨でいて、どこかストリート感も漂わせるフォルムがいいですね!クボタ農機のトレードマーク・オレンジ×黒の色合いもかっこいい。(余談ですが、トラクターなどの農業機械のキーカラーはメーカーによって異なり、クボタ=オレンジ、ヤンマー=赤、井関農機=青といった具合なのだとか。知らなかった!)

さらにこの「M7-151」、イベント開催中は操縦席が解放されており、誰でも気軽に搭乗体験ができるとあって、ちびっ子から現職の農家さんまで終日行列が絶えないほどの大人気でした。子どもたちにとってはまるでトランスフォーマー。こうした粋な計らいはお子様連れのご家族にはうれしいですよね。

会場の中心部にはトラクタ、コンバイン、田植え機といった農機のオールスターチームの面々が。巨大なタイヤを履いた大型トラクタに重厚なコンバイン(稲や麦を刈り取りながら脱穀する機能を備えた農業機械)…。特に男性(男子)にとっては、農業従事者の方でなくても心躍る空間です!

しばらく歩くとなにやらおいしそうな一角が。グルメブースが立ち並ぶ「クボタeプロジェクト」エリアです。

お漬物や肉の加工品、パン、ホットスナック、地場野菜などなど、クボタゆかりの飲食店・団体が出店していました。

米、麦、野菜、肉…。ついつい忘れてしまいがちですが、こうした食品の生育の根底には必ず農機の活躍があり、また、食品メーカーさんの頑張りが農機メーカーさんを支えてもいるのですね。

 

農業の新世紀は「空」からやってくる!農業の未来を作るクボタの先端テクノロジーとは?(次のページへ)

こちらはクボタグッズのコーナー。帽子やジャンパー、そして子どもたちに大人気のミニカーやチョロQなんかも置いているんですよ。ちょうど人波が途切れた時を目がけてシャッターを切ったためお客さんはまばらに見えますが、こちらもかなりの大盛況でした!

農家さんたちは農業関連のイベントや会合に参加する際、それぞれ“ひいき”にしている農機メーカーの帽子をかぶって来場することが多いのだそうで、クボタのご担当者さんたちは、「クボタロゴ」の入った帽子をかぶっている方がどれくらいいるか、毎回楽しみにされているんだそうです。なんだかいいお話ですよね。

さらに会場を奥に進んでいくとビッグサプライズが…!そう。近年話題の「ドローン」です。クボタはドローンブーム到来の折、いち早くドローンの農業転用を研究。田畑に農薬を散布する「農業用マルチローター」として製品化を実現したんだとか。驚かされるのは、このドローンの操縦研修をもクボタが主催していること。こうしたサポート体制があれば、安心して購入することができますね。

さらに後述するクボタの営農支援サービス「クボタ・スマート・アグリシステム(KSAS)」(ケーサス)をドローンと連動させることにより、田畑毎の散布計画の作成、散布履歴の確認、植生診断(葉色判定)などを行うことで区画ごとの作業最適化と高品質・高収量化を実現します。「ただドローンで薬剤を散布するだけ」で終わらない、というところがポイントです。

この「KSAS」がすごいのです!上述のドローンだけでなく、KSASに対応したクボタ農機であれば、その作業・収穫データがクラウド環境に集約・蓄積されるのです。肥料の種類や量といった収穫計画に関するデータから、いつ、だれが、どの農機で何をしたのかという作業の進捗までを一元管理することができます。

また、オプションによっては、農機内部の機構が収穫物のタンパク含有率や水分含有率といった「食味」データまでをもリアルタイムで収集することができる(すごい!)ので、品質や収量のムラを徹底的に無くすことはもちろん、科学的データに基づいた、よりチャレンジングな農業経営が可能になるのです。ドローンにクラウド(雲)。未来の農業のキーワードは「空」にあったのですね!

生産の過程で農機に不具合やメンテナンスの必要が生じた際には、KSASデータを通じてクボタがそれを感知。農家さんのフォローアップも行います。単なる「販売」という枠を超え、農家に寄り添い、育て、支援することによって農業全体の未来に働きかけんとするクボタの精神を体現したようなシステムでした。

今回のイベントに足を運んでみて分かったことは、クボタがもはや「農機や農具」のメーカーではなく、「日本の農業の未来」を作っているメーカーなのだということ。

 

跡継ぎ問題に長年さらされている農業という産業において、ベテラン農家さんたちが持つ「長年の勘」をいかに継承し、また、これまで以上の生産量と品質をいかに少ない労力で確保できるかがカギになります。

 

一見クボタは、それをテクノロジーの力だけで突破しようとしているように見えますが、その根底にあるのは日本の農業に対するどこまでも“アナログ”な情熱なのだと思います。

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