通し稽古の前に振付家・櫛田さんが「100年後を想像して」と一言。

 どこかノスタルジックな雰囲気が漂う、ゆったりとした音楽が流れ始めると、舞踊家たちがしなやかに身体を動かします。

 

 

 フォーメーションを多彩に変えながら、全身をダイナミックかつ繊細に使って、悲しみやさみしさといった感情を表す8人の舞踊家。そして、その間を浮遊するように憂いを帯びた表情でゆっくりと歩く1人の舞踊家。彼女たちによって描き出される美しくも切ないコントラストに、胸が締め付けられます。

 

 すうっと芯の通った美しい立ち姿、なめらかに動く鍛え抜かれた身体。吸い込まれるように見とれていると、まるで時間の流れが違う異空間にいるような気分に。思わずうっとりとしてしまいました。

 

 

 私は舞台の周りを移動し、さまざまな角度から撮影をしながら見ていたのですが、広い会場を想定した奥行きのある作品なので、どこから見ても魅力を堪能できる構成になっていると感じました。全部で4公演あり自由席なので、複数公演のチケットをゲットして、回によって座る位置を変えて何度も楽しむのもおすすめです。

 

 リハーサルを見せていただいた後、振付家・櫛田さんにお話を伺いました。

 

「ここでしかできない方法で作りたい」