来年設立20周年を迎えるKバレエ カンパニーが記念作品として選んだのは、同カンパニーの代名詞ともいえる作品「ドン・キホーテ」。世界中で多くの人に愛されている物語に、バレエダンサー・熊川哲也さんが演出家としての比類ない才知を駆使し新たな命を吹き込んだ名作です。

 新潟では初披露となる今回は、熊川哲也さんが今最も評価している次代のスター・矢内千夏さん堀内將平さんが主演を務めます。そのお二人に本作の魅力をたっぷり伺いました。

 

堀内さん(左)と矢内さん(右)

 

堀内さん「ある日熊川芸術監督に呼ばれて、『ロミオとジュリエット』(10月に東京・大阪などで上演)と『ドン・キホーテ』の主役を2人で踊るように伝えられました。あまりに驚いて、2人とも言葉を失いましたね(笑)」

 

矢内さん「いつも役については掲示されるキャスト表で知らされていたので、直接伝えられたのが私は初めてで、とてもびっくりしました。Kバレエの『ドン・キホーテ』は小さいころからDVDで何度も見ていた大好きな作品なので、すごく嬉しかったのですが、それより驚きのほうが大きかったです」

 

 今回矢内さんが演じるのは、ヒロイン・キトリ。そして、その恋人・バジルを堀内さんが演じます。お二人が演じるキトリとバジルはどんな人物なのでしょうか?

 

矢内さん「キトリは、ハツラツとした元気な女の子です。お茶目な一面が見え隠れする可愛らしさを表現できればと思っています」

 

堀内さん「バジルは、ちょっとひょうきんなところもありますし、ラテン系の情熱的な部分も持ち合わせている男性ですね」

 

矢内さん「今(9月中旬取材時)『ロミオとジュリエット』のリハーサル中ですが、堀内さんは、優しく包み込んでくれるロミオにぴったりなんです。『ドン・キホーテ』のバジルはロミオとは正反対のキャラクターなので、どんなバジルと踊ることができるのか、今からすごく楽しみです」

 

 

堀内さん「一般的にバレエダンサーは、年齢と共に表現力も増していって30歳前後でピークを迎えると言われたりするのですが、矢内さんは19歳の時から主役を踊ってきて、そのころから一つ一つの作品や役柄に対して理解して、表現する力を持っているので、キトリも楽しみにしています」

 

一瞬も目が離せない! 「ドン・キホーテ」の魅力とは?(次のページへ)