新潟県立万代島美術館(新潟市中央区)で3月20日(土・祝)から5月5日(水・祝)まで開催されている企画展「芳年 激動の時代を生きた鬼才浮世絵師」の内覧会に行ってきました。

幕末から明治にかけて活躍した、最後の浮世絵師として知られる月岡芳年(つきおかよしとし)の芸術に迫る企画展となっています。

《文治元年平家の一門亡海中落入る図》嘉永6年(1853)©西井コレクション

第一章は、江戸時代末期の浮世絵師・歌川国芳に弟子入りしてから3年後の、15歳の時に手掛けたというデビュー作から。中央に現れたヒーロー的人物を見て青ざめている武士たちが…。

カメラマークが付いている作品は写真撮影可能で、SNSにアップしてもOKだそうです。

《五代目板東彦三郎のすけの局
 二代目沢村訥升の源義経
 五代目大谷友右衛門の新中納言平知盛》慶応3年(1867)©西井コレクション

芳年が、歌舞伎「義経千本桜」の「大物浦」を取材したときの作品。役者たちの格好や表情、背景の柄から、歌舞伎の華やかさを感じます。

《魁題百撰相 駒木根八兵衛》明治元年(1868)©西井コレクション

第二章では芳年が目の当たりにした戦闘の画や「血みどろ絵」などが並びます。こちらは小さなお子さんや苦手な人は観覧を避けられるようになっていますのでご安心を。

《義経記五條橋之図》明治14年(1881)©西井コレクション

第三章では明治6年ごろからの人気絵師として注目されるようになった作品が並びます。相手の攻撃を受け武器を構える姿勢、髪の毛や布の揺れ具合、人物が画面から飛び出してきそうな構図など、躍動感にあふれる絵を楽しめました。

《芳年武者旡類
源牛若丸 熊板長範》明治16年(1883)©西井コレクション

と、ここで内覧会の終了時間となったため残念ながらここまで…。展示総数は260点以上という大ボリュームの今回の企画展。紹介したほかにも第四章では月をテーマにした連作「月百姿」や、怪奇絵、美人画、肉筆画など、絵師として人気絶頂を迎えた代表作の数々が並びます。


入り口のフロアには、芳年が描いた平安時代中期の貴族・藤原保昌と、盗賊の大親分・袴垂(はかまだれ)と一緒に撮影できるフォトスポットも。また、会期中は入場時に全9種類の「芳年キャラカード」が1日につきランダムで1枚もらえるそうなので、コンプリートを目指すのもいいですね。

そして、入り口で配布している解説紙にも注目。人物関連図、用語集など、初めての人でもわかりやすくまとめられていました。芳年作品の細部に迫る映像解説もあるので、こちらと併せて理解を深めてみてはいかがでしょうか。

イベント情報

イベント名 企画展「芳年 激動の時代を生きた鬼才浮世絵師」
開催期間 2021年3月20日(土・祝)~5月5日(水・祝)※休館日/4月5日(月)、19日(月)
開催時間 10時~18時(観覧券の販売は17時30分まで)
会場 新潟県立万代島美術館(新潟市中央区万代島5-1 万代島ビル5F)
料金 一般1,100円、高大学生900円、中学生以下無料
お問合せ先

新潟県立万代島美術館 
電話 025-290-6655