自然を舞台にしたアート作品が数多く展示され、里山めぐりと合わせてアートの世界を楽しめる越後妻有。
3年に一度、大きなイベントや目玉展示が登場する大々的なアートフェス「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」を開催し、次回開催が2018年、なんと来年に迫っています。
新潟Komachi最新号でも、妻有エリアのアート作品をベッキーさんが巡ってくれていますね。
…ですが、実は通年でアートを楽しめるよう、妻有エリア全体でさまざまな企画展示やイベントが行われています。
今回お邪魔した現代美術館「キナーレ」の館内にも、世界的なアーティストの作品が常設展として展示されていて、中には今しか見られないものも!私も何度か訪れていますが、毎回少しずつ作品が変わっていたりして、そうそうたる作家陣にビックリします。すごい数があるので、今回は常設展示の中からいくつかピックアップ。
まずはこちら。
◆ゴースト・サテライト/ゲルダ・シュタイナー&ヨルク・レンツリンガー
展示室に入ると頭上に現れる作品。越後妻有で集められたさまざまなもので作られた「人工衛星」です。よく見るとモップやイス、コンテナなどの生活用品がちらほら…。
越後妻有を訪れた作家が、東京と越後妻有を「地球と、役割を終えた人工衛星」の関係に見立て、衛星の力強さを表現しています。
…という説明を聞いてから見るのも良いのですが、現代アートは見る人それぞれで感じ方が違うことも大きな魅力。自分の目で見てどう思うかがいちばん大切なので「気になるけどよく分からない、難しそう」と思っている人こそ、まずは実際に足を運んでいただくのがオススメです。
続いてはこちら。
◆Rolling Cylinder, 2012/カールステン・ヘラー
床屋さんを思わせる赤・白・青のトンネルを通り抜ける作品。この色で床屋さんを思い浮かべるのは、世界共通なんだそうです。歩いていると平衡感覚がなくなり不思議な気分に。SNSにUpする人も多い人気の作品です。
◆POWERLESS STRUCTURES, FIG. 429/エルムグリーン&ドラッグセット
自然というフィールドを芸術の舞台にした越後妻有で、「美術館の役割とは何か」を問いかける作品。アートを発表する場である美術館がゴロゴロと転がる姿に、なんだか不安感が煽られます。
◆ソイル・ライブラリー/栗田宏一
こちらは、合併前の新潟県内で旧市町村ごとのSoil=土を集めてずらりと並べた作品。さまざまな色の土が、グラデーションを作るように整然と飾られています。眺めるだけでキレイですが、ひとつひとつじっくり見ていくと質感や色の違いがよく分かります。こちらも写真スポットとして人気だそう。
他にも気になる常設展示がたくさんありましたが、ありすぎてここでは書ききれません。ぜひ自分の目で確かめて、アートのエネルギーを感じてみてください。
ちなみにこちらの「キナーレ」、おでかけに欠かせないグルメ&おみやげも充実。
こちらはレストランカフェ「しなのがわバル」。
なんと、カフェ全体が「○in□(マッシモ・バルトリーニ feat.ロレンツォ・ビニ)」という作品なんです。どこもかしこもアート!
こちらは信濃川をテーマにしており、テーブルをすべてつなげると川の姿が現れます。天井の丸い板は川面に反射する光、丸い照明は川の上にかかる雲をイメージ。室内にいながら雄大な信濃川の姿を想像できるレストランです。メニューも新潟の自然をモチーフにしたものがあるので注目ですよ。
来年の本開催に向けて盛り上がる越後妻有。明日5日(土)からは「大地の芸術祭の里 越後妻有2017夏」と題し、この時期しか楽しめないプログラムや作品が続々登場します。
冬は雪で閉ざされてしまう山の中の作品や、今回ご紹介した水あそび…今しか出会えないアートを探しに、この週末は妻有へプチトリップしてみませんか。
【大地の芸術祭の里 越後妻有2017夏】
期間:8月5日(土)~8月20日(日)
問い合わせ:「大地の芸術祭の里」総合案内所 025-761-7767