
創業200周年を迎えた北欧フィンランド最古のテキスタイルブランド「Finlayson(フィンレイソン)」の歴史とデザインをひもとく展覧会「創業200周年記念 フィンレイソン展」が、新潟市新津美術館で6月26日(土)から8月29日(日)まで開催されています。今回、こちらの内覧会へ行ってきました。
館内に入ると企画展示室に入る手前の階段フロアには撮影スポットが。バナーやパネルが置かれていました。
それでは第1会場へと進みます。
▼第1章 紡績工場からテキスタイル産業へ~フィンレイソンの歴史~
フィンレイソンは寝具などのデザインや生産を手掛ける企業として知られていますが、その始まりは1820年に英国スコットランド出身のジェームズ・フィンレイソンが創業した紡績工場からでした。展示されていたのはひもや糸の見本、紳士用・婦人用の服地など。実際の資料を通して当時の技術や製品を知ることができます。
1930年代に移ると、PMKというフィンランド綿工場の販社を設立。この頃からテキスタイル産業に参入していきます。
こちらは製品をPRするための生地見本帳や、広告、デザインファイル、婦人雑誌など。フィンレイソンの製品がファッションや家庭にどのように広められたのかが分かります。
▼第2章 デザイナーが生み出した図案の数々。未来へ向けた活動も紹介
さらに1951年からは社内デザイナーを起用。オリジナルデザインが次々と誕生していきます。
よ~く見ると…虫がリンゴをかじっている遊び心ある作品。元のデザインは1972年に誕生し、2015年にリニューアルされました。
下:ライナ・コスケラ作、「エレファンティ(象)」寝具用生地(1969年)/タンペレ歴史博物館所蔵
象のシンプルなシルエットを大胆に配置した、フィンレイソンのなかでも人気柄のひとつ。下は寝具用生地として作られた1969年の作品で、上は2012年の復刻版。貴重なスケッチや原画も併せて見ることができます。
こちらは第2会場。作者トーベ・ヤンソンが生んだ「ムーミン」たちを模様にした原画と生地見本が並んでいます。ムーミンたちの愛らしい姿と、その魅力をさらに引き出したデザインがどれもすてきでした。(このエリアは通常は撮影できません)
こちらは1970~1990年代に作られた生地の数々。それぞれデザイナーの顔写真とプロフィール、一部は原画と一緒に紹介されています。
鑑賞していて楽しかったのは、時代によって変化していく柄や色使いです。幾何学的なパターンやポップな色が印象的な60・70年代、落ち着きのある洗練されたデザインの90年代といった当時の流行も感じ取れました。
左:アヌ・サーリ作、「アヤトス(思考)」生地(2006年)/タンペレ歴史博物館所蔵
こちらは考え込んでいるパンダをパターンにした2000年代の作品。現代社会が抱える環境問題を訴えるメッセージが込められています。
最後に展示されていたのは、タオルやデニムから再生されたファイバー(繊維)を使ったタオルなどのリサイクル商品。現在は地球環境への配慮、リサイクルにも重点をおいているそうです。創業当初からの伝統を受け継ぐ変わらぬ姿勢とテキスタイルデザインの魅力に加え、未来に向けたメッセージも伝わる展覧会でした。
▼グッズ売り場をチェック!
グッズ売り場には展覧会のオリジナル商品をはじめ、ポーチやスマホケース、マスク、バッグなどが並んでいました。お気に入りのデザインを見つけたくなりますね!
イベント情報
イベント名 | 創業200周年記念 フィンレイソン展 |
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開催期間 | 2021年6月26日(土)~8月29日(日)※月曜休み(7月26日、8月9日は開館) |
開催時間 | 10時~17時(観覧券の販売は16時30分まで) |
会場 | 新潟市新津美術館(新潟市秋葉区蒲ヶ沢109-1) |
料金 | 一般1,000円、高大学生800円、中学生以下無料 |
お問合せ先 | 新潟市新津美術館 |
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