南米大陸西岸に位置。南北の広がりは4,000キロメートル、標高差4,500メートルにもおよぶ広大な地で、多彩な文化が盛衰を繰り返した古代アンデス文明。その文化に触れる展覧会「古代アンデス文明展」が3月21日(水・祝)、新潟県立万代島美術館で開幕しました。

会場では地上絵で知られる「ナスカ文化」、マチュピチュなどの「インカ帝国」ほかアンデス文明を代表する9つの文化を、土器、織物、黄金製品、ミイラなど、約200点の貴重な資料を展示しています。今回、この中でも特に目を引いたいくつかの資料をピックアップしてご紹介します。

ネコ科の動物や、ラクダ科の一種のリャマがモチーフの愛きょうのある頭部が付いた土製香炉の数々。現代の人々と同じように、かわいい動物たちから癒やしをもらっていたのでしょうか? そのほか人間の表情豊かな顔を形にしたユニークな土器も並びます。

(写真手前右)「金の胸飾り」、(同左奥)「細かい細工がほどこされた金の装飾品」、(同左手前)「鉢形の金の器」と「打ち出し技法で装飾をほどこした金のコップ(アキリャ)5点セット」。いずれもシカン文化(ペルー文化省・国立ブリューニング考古学博物館蔵)

儀式で使われていたとされる壺や鉢。中には子どもがしゃがんで入れてしまうのではないかというほどの大きさの物も。その重厚さに驚きです。側面には神様や穀物などの絵が描かれていて、当時のさまざまな物事を知ることができます。

ワリ文化の「植物モチーフで飾られた多彩色鉢」 (ペルー文化省・国立考古学人類学歴史学博物館蔵)

 

 

「動物をモチーフにした細やかな装飾品」