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何げない日常を描く…小倉遊亀の日本画の世界

新潟市美術館で4月14日から開催されている「滋賀県立近代美術館所蔵 小倉遊亀 絵筆にこめた愛」。日本画家・小倉遊亀(ゆき)さんは25歳のころから画家を志し、105歳で亡くなるまで80年にもわたり創作活動を続けてきました。この企画展では、遊亀さんの初期から晩年にいたるまでの画業の全貌を展示しています。

初日を翌日に控えた4月13日、関係者・メディアが集結し開場式が行われ、一足早く館内に展示されている作品を見せていただきました。
今回はその中から目に留まった作品をいくつかピックアップしてご紹介します。

 

 

「母と子」

1934年 滋賀県立近代美術館蔵(~5/13展示
ぽつんと二人だけ描かれたシンプルな構図。親子二人だけに流れる安らかなひとときの幸せな空気が伝わってくるようです。母親の顔が少し微笑んでいて、見ているとなんだか心がほっこりしてくる作品です。

 

 

「青巒(せいらん)」 

1976年 滋賀県立近代美術館蔵
盛夏の爽快な景色を大胆に表現した一枚。顔料に天然の群青(ラピスラズリの粉末)がふんだんに使われているそうです。目の覚めるような美しい「青」をぜひ会場で確かめて見てください。

 

「人物の内面も描く細やかな筆遣い」(次のページへ)

「娘」 

1951年 滋賀県立近代美術館蔵(~5/13展示)
ちょっとツンとした表情の女性。良家の娘さんをモデルにしたそうですが、椅子の座り方やおでこを出した髪型などから、どんな性格の子だったのかな? とつい想像してしまいます。手前にあるのは花瓶とテーブルクロス。カットが施されたガラスの透明感、細やかなレース模様にも注目です。

 

 

作品のほか、遊亀さんのアトリエ風景を撮影した写真や、実際に使っていた絵具、筆なども展示されています。


作品テーマはどれも身近で、描く側と見る側との距離がとても近いように思え、共感できる作品ばかりでした。普段の何げない日常の世界を、時に繊細に時にハッとするような色使いで描く遊亀さんの世界に触れてみてください。

会期は6月10日(日)までですが、5月15日(火)から後期展示となり、一部の展示作品が替わります。2回目の入館がお得になるリピーター割り引きもあります。

 

【滋賀県立近代美術館所蔵 小倉遊亀 絵筆にこめた愛】
会期/開催中~6月10日(日)
※前期は5月13日(日)まで、後期は5月15日(火)から

 

時間/9時30分~18時

(観覧券の販売は17時30分まで)

 

会場/新潟市美術館
(新潟市中央区西大畑町5191-9)

 

入場料/一般1,000円(800円)、高大学生800円(600円)、中学生以下無料
※()内はリピーター割引料金、観覧券の半券が必要

 

休館日/月曜(4月30日は開館)

 

問い合わせ先
新潟市美術館
TEL 025-223-1622

 

新潟市美術館ホームページ
http://www.ncam.jp/

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