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名物・陳麻婆豆腐を昇華した若き情熱がほとばしる一杯

多彩な香辛料が織り成す華やかな香り、熟成トウバンジャンと自家製ラー油の鮮烈な辛み。
麺に絡んだとろみの強いあんが奥行きのあるうま味を運び、四川サンショウの爽やかなシビれが余韻を残す。一口、また一口と麺をすするたびに、心地よい刺激が広がり、手が止まらなくなる。

 

食べ応え満点の総重量500グラム!

そんな、一度食べたらクセになってしまう汁なしマーボー麺を楽しめるのが、明治時代から続く中華料理の老舗・喜京屋です。


現在は、中華の鉄人として知られる陳建一さんの元で研鑽を積んだ若き5代目、疋田昭一郎さんが腕を振るっています。「昔からマーボー麺はありましたが、汁なしの提供を始めたのは数年前からです。名前の通りスープを張っていないので、店の名物・陳麻婆豆腐の味をそのまま楽しめるのがポイントです」。

 

調理場を仕切る5代目・疋田昭一郎さん

新しいアイデアを生かし、定番の味をアレンジすることで生まれた一杯は、常連からも支持を受け、20種以上ある麺類の中でも人気の品へと成長しました。

本来、重ねてきた歴史が長ければ長いほど、守るべきものは多くなり変化には慎重になっていきます。しかし、喜京屋には伝統を守りながらも、新しい感性を取り入れるという気風がしっかりと感じられます。


「もともと、うちは和食屋でした。新潟市の四川飯店で修行を積んだ父の代で中華料理の提供を始めました。今ではすっかり看板になった陳麻婆豆腐も、現在の四川風へと変えたのはここ20年のこと。そういう意味では、120年の歴史の中で、時代に合わせて変化しながら愛される味を追求してきたのかもしれません」。

5代目の疋田さんは、赤坂四川飯店での修業を終えて帰郷。5年ほど前に調理を任されるようになってからは、月替わりの限定メニューを考案したり、料理教室を始めたりと、新たな取り組みを行うようになったそうです。

 

特に女性からオーダーが多いサンラータンメン


「もちろん、変えることばかりがいいことだとは思っていません。目当てに来てくれる常連さんのことを考えると、100種あるメニューは減らせませんし、大きくスタイルを変えることもできません。うちならではの中華料理で、昔からのお客さんにも、新しいお客さんにも満足してもらいたいと毎日鍋を振っています」。


優れたバランス感覚で温故知新を体現する若き情熱が、長岡の街で親しまれている「喜京屋の中華」を次の時代へとつないでいきます。

 

 

中国四川料理 喜京屋
[住所]長岡市殿町1-3-9 
[電話番号]0258-32-2417
[営業時間]11時~21時30分(20時55分LO)
[定休日]火曜

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