パン屋さんを取材する時はいつも、オーナーシェフに好きなパン屋さんを教えてもらっています。今回紹介する新潟市中央区の「パン・ド・メルソー」は、パン屋さんも好きなパン屋さん。いろいろなオーナーシェフから「メルソーさんいいよ」と、おすすめされるお店です。プロが認めるお店には、どんなおいしさの秘密が隠れているのでしょうか?

 

楽しく、好きなように、作るだけお店は住宅街の一角にあります。小さくてかわいらしいお店です。中には穏やかな時間が流れています。お店は小さいけれど、パンの種類はいっぱいです。

 

お店のスタッフはオーナーシェフの佐々木尚さんと奥さんの2人だけ。パン作りは尚さんが1人で行っています。

 

「特別なことは何もしていませんよ。道具も素材も普通のものを使っています。唯一心掛けているのは、自分なりに楽しく、自分の好きなように作ることでしょうか」と、控えめのコメント。

なんでしょう、この雰囲気。まさにベテランの職人さんといった感じです。仕込みの様子を見ているだけで、秘められた思いが伝わってきます。

 

道具も…

素材も…

 

確かに、特別な感じはありません。

 

が、驚いたのはベースになる生地の種類。なんと1人で15種類を仕込んでいるそう。「生地について考えるのが好きなんです。興味のままに作っていたら、どんどん増えてしまって…楽しいけれど、大変です」と、苦笑い。どうやら、特に生地作りに力を入れているようです。

 

「パンを焼くまでが勝負」。尚さんは毎朝3時に出勤です。パン屋さんの朝は本当に早いですね。

 

「教科書通りに作りたくない性格で」。尚さんの生地は、配合から酵母の使い方まで完全にオリジナルです。自身が納得するレシピを、とことん突き詰めています。道具や素材よりも、作り方を工夫して。毎日手間を惜しまず、生地の状態をうかがいながら。こうすることで、おいしいパンが出来上がるのです。

 

職人ならではの手仕事を大切にした「パン・ド・メルソー」のパンは、主張は控えめだけれど、なにか秘めている感じ。尚さんのスタイルが、そのままパンに表れています。それではパンをたっぷりお届けします。

 

パン屋さんも好きなパンはこちら!