2018年の1号目!新潟Komachi最新号の特集は発酵食です。甘酒、こうじ、醤油…発酵によってつくられるもの、たくさんあります。パンもその一つですよね。発酵でおいしくなる食べ物です。
ここがお店?着いた先は一軒家
今回おじゃましたのは、村上市にある「Marilla(マリラ)」。自家製の酵母を使って、ドイツパンを焼くお店です。ご主人の内山秋善さんは、酵母愛にあふれた発酵職人。実はこの方、最新号でも紹介されていますよ。ぜひチェックしてみてください。
マリラがあるのは村上市郊外の小さな集落。調べた住所を目指して行くと、到着したのがこちらです。
おうちの庭に看板がポツン。「110番の家」付きです。お店はどちらですか?
そうなんです。こちらがマリラなんですよ。噂には聞いていましたが、どう見ても小屋ですよね。ぶら下がっている「仕込み中」以外、パン屋さんの要素がありません。趣たっぷり!間違いなくおいしいパンを焼きますね、これは!
中に入ると、迎えてくれたのはつなぎを着た内山さん。酵母よりも、工具を使っていそうな雰囲気です。小屋の中は、半分事務所、半分調理場。事務所の壁には、予約を受けた伝票がたくさんあります。大人気ですね。興味のままに、いろいろお話を聞きました。
10年前までサラリーマン
こだわりは、パンのこと全部。
マリラが開店したのは10年前。電気関係の技術職だった内山さんが自宅の小屋を改装してオープンしたそう。パンの店頭販売は予約分だけ。通信販売が中心です。今では、全国から問い合わせが絶えないほど人気なんですって。
▼発酵特集より▼
「もともと趣味で焼いていたパンが好評で起業に踏み切りました。喜ばれることがうれしくて始めた仕事ですから、100%満足してもらえるパンを常に目指しています」。
お客さんを喜ばせるために内山さんは、 素材から窯まで、パンにまつわること全部こだわります。「昔から、やると決めたらとことん追求する性格なんですよ」。素材はライ麦からチーズまで一つ一つ厳選、窯は自分で設計をして特注したそう。
パーフェクトなパンを求めて一から十までこだわる内山さんですが、一番気を遣っているのはやっぱり発酵。内山さんの酵母愛は、話を聞いていると驚くことばかりです。
「酵母は生き物。
酵母ちゃんって呼んだりもします」
発酵の具合がおいしさを大きく左右するドイツパン。内山さんは毎日酵母と向き合います。
▼発酵特集より▼
「上手に発酵させるには酵母を最良の状態にしておくことが大切。毎日、粘りや香りを確かめて、 必ずかき混ぜます。365日、休みの日も欠かせません。状態の良しあしは私にしか分かりませんから、誰かに任せたりもできません」。
酵母は管理が大変な分、愛着も沸いてくるそうですよ。こんな名言もありました。
「酵母は生き物。しっかりお世話をしないと。ペットのようです。時折、酵母ちゃんって呼んだりもします」。
マリラのパン生地は、温度と湿度の管理を徹底し、じっくりと時間をかけて発酵させます。こうすることで、生地そのもののうま味がしっかり引き出されるんです。
パンが窯から出てくると、ライ麦ならではの香ばしい匂いが立ち込めます。「間違いないでしょ」。そう思わせる、幸せな香りです。
実際に食べてみると、とてもうま味豊か。ライ麦の風味の中に、チーズに似たコクが感じられるんです。「複雑で奥行きのあるおいしさは、酵母ちゃんが働いて、生地がうまく発酵した証拠です」と内山さん。一度食べてみてください。マリラのパンは味わうほどに、内山さんの丁寧な仕事が伝わってきますよ。
自家製天然酵母の薪窯パン工房
Marilla
[住所]村上市志田平45
[電話番号]0254-52-0071
[営業時間]11時~18時
[定休日]不定休
[駐車場]3台
カラダにおいしい“発酵”の秘密を大特集!
記念すべき2018年度最初の新潟Komachiは「カラダにおいしい発酵の秘密」です。近年大きなブームとなっている“発酵”をテーマにし、ランチ、スイーツ、甘酒など、幅広くご紹介しています。