ここ数年、盛り上がっている肉ブーム。牛から始まり、豚に鶏と、勢いは拡大中です。そんな中、今注目されているのがラム肉。「ヒツジ女子」の言葉が生まれるほど女性にウケているそう。ということで、行ってきました。新潟市中央区にあるジンギスカンのお店「吉祐栄門」。お目当ては“生ラム”です。
「ジンギスカンなのに生?」「焼くの?焼かないの?」
JR新潟駅から徒歩10分。少しくたびれた看板とビールケース、雑多に置かれたテーブルやイス…。ここは駅前楽天地。レトロで味のある、とても小さな飲み屋街です。雰囲気のあるお店が、道を挟むようにいくつも並んでいます。
そんな駅前楽天地の中で、最近人気を集めているのが吉祐栄門です。オープンしたのは1年半前。「ジンギスカンなのに生?」「焼くの?焼かないの?」「分からないけどおいしそう」。開店以来、生ラムという響きに興味をそそられ、たくさんの人が訪れているんですよ。
バーを思わせるオシャレな雰囲気!待っていたのは、陽気なご主人
お店に入ると、オシャレな空間が広がっています。まるでバーみたい。ワイワイ!ガヤガヤ!なジンギスカンのお店とは、ちょっと雰囲気が違います。
でもじっくり中を見渡すと、間違いなくジンギスカンのお店です。専用の鉄鍋に熱した炭、そして、羊のTシャツを着た笑顔のすてきなご主人とスタッフ!さっそくですが、「生ラムジンギスカンって何ですか?」。
生ラムの生は、あの生でした!
生ラムについて教えてくれたのは、吉祐栄門のご主人・吉村祐一郎さん。実は、吉村さんはこちらを開店するまでは保険の営業マン。北海道に転勤した際に生ラムと出会い、衝撃のおいしさに「新潟で生ラムを広めたい!」と一念発起。すぐにお店を立ち上げたんですって。
吉村さんに聞くと、生ラムの意味は少し複雑なのだそう。「生ラムという言葉が生まれたのは北海道です。現地では、冷凍ではなく“生”の状態で仕入れられるラム肉を生ラムと呼んでいます。そこには、レアでおいしく食べられるほど新鮮というニュアンスも込められているようです。初めて食べた時は驚きました。ラム肉特有の臭みが、全然ないんです。食べてみたら分かりますよ」。
ということで、いただきました!
ご存じでした?北海道のジンギスカンには、2つのスタイルがあるのだそう。「北海道では、タレに漬け込んだ肉を焼くお店と、焼いてからタレを付けて食べるお店に分かれます。吉祐栄門は後者です。そのまま焼くだけでおいしいのが生ラムですから、タレに漬け込むのはもったいない。焼いてからタレを付けて食べる方が、生ラムのおいしさをしっかり感じられるんですよ」と、吉村さんは話します。
吉村さんは焼き方にもこだわります。完全に北海道流。現地で勉強した焼き方を取り入れています。まず、ジンギスカンに欠かせないのはモヤシ!ドーナツ型になった鍋の縁にたっぷり盛ります。次はラード!鍋の頂上に塊をのせ、熱で溶かしたら準備OKです。あとはジュージュー!程よく焼けたらモヤシと一緒にタレをつけて食べましょう。
食べてみると、生ラムの言葉で区別されている理由が分かります。吉村さんの言う通り、臭みが全然ありません。それでいて、ラム肉ならではの甘みといいますか、コクのあるうま味があって、クセになります。モヤシには溶けたラードとラム肉の脂が絡んでいて、とても香ばしい。タレはスッキリとした口当たりで、ラム肉とモヤシのおいしさをくっきり際立たせるんですよ。今まで食べたジンギスカンとは、全く違うものでした。
生ラムジンギスカンの正体は、生で仕入るラム肉を使い、レアでもおいしいジンギスカンのこと。これだけを聞くと、「珍しいの?」と思う人もいるでしょう。まずは一度お試しを。食べてみたら、その違いにびっくりしますよ。そして、今後さらにラム肉ブームが盛り上がることを確信するはずです。
生ラムジンギスカン
吉祐栄門
[住所]新潟市中央区弁天3-2-23
[電話番号]025-384-4639
[営業時間]17時30分~23時30分(23時LO)
[定休日]水曜
[席数]22席
[駐車場]なし