■女性が選ぶ最高のワイン。サクラアワードへの想いとは?
セミナーではワインの楽しみ方を存分に語ってくださった田辺さん。大好きなワインのこと、そして「日経ウーマノミクス・プロジェクト」が掲げる「女性の働き方」について、お話を伺いました。
田辺さん「私がワインについて学ぼうと想ったきっかけは、レストランで食事をした時に自分でワインを選びたいと思ったことなんです。料理はメニュー名を見ればなんとなくイメージできますが、ワインは知識がないとそうは行かないでしょう?食べることが大好きなので、せっかくだからワインも楽しみたいと思って勉強を始めました。『ワインを仕事にすれば、専門誌にのっているワインを全部飲めるかも!』と思ったんです(笑)」。
ソムリエの育成や執筆、そして講演活動にも力を入れている田辺さん。
なかでも特に力を入れている「Japan Women’s Wine Awards」、通称サクラアワード設立への思いを聞きました。
田辺さん「サクラアワードの設立には、3つの目的があります。まず一つは、日本のワイン消費量を増やすこと。日本は先進国の中でもワインの消費量が少なく、フランスでは一人あたり50リットルが平均のところ、日本では3.6リットル程度なんです。現在は、年間5リットルを目標にしています」
――日本のワイン消費量は、他国に比べてかなり少ないんですね。日本人の食事とワインの合わせ方も関係しているのでしょうか?
田辺さん「そうなんです。ワインはもともと料理を引き立てるための飲み物ですが、ほとんどのワイン生産者は日本に来たことがありません。お寿司や天ぷらなど、海外でイメージされる日本食が日常的に食卓にのぼると思っている人もいるくらい。それでは、どんな食べ物、どんな味わいに合わせてワインを造れば日本人の口に合うか分かりませんよね。
そこでサクラアワード二つ目の目的は『日本食に合うおいしいワインを探すお手伝いがしたい』ということ。私は家庭の食を取り仕切るのは女性だと思っているので、日本の女性が世界のワインを選ぶことで、なじみ深い日本食に合うおいしいワインとの出合いを提供したいと思っています。」
――今回は「日経ウーマノミクス・プロジェクト」発足5周年を記念するイベントでしたが、女性の働き方についてはどのようにお考えですか。
田辺さん「女性は結婚や出産、子育てなどで一度キャリアが途切れてしまったりと、スキルアップする壁が男性に比べて高いと感じます。とはいえ、子どもや家庭の方が仕事より大事だと思うのも女性の本能。女性が働いてきちんとした地位を持ちたいと思ったら男性の何倍も努力が必要ですし、そんな女性を国や社会が男性の何倍もサポートすべきだと思います」
――最後に、新潟の女性とKomachi読者へメッセージをお願いします。
田辺さん「新潟は素晴らしいワイナリーが多く、本当に食が豊か。もちろん日本酒やお米も素晴らしいですが、これから新潟らしい新たな食文化が生まれるかもしれませんよね。
そういった新潟ならではの食文化を育て、守るのが女性の役割の一つだと思いますし、次の世代へつないで発展させていってほしいと思います。料理を引き立てるワインも、もっと愛してもらえれば最高ですね」
お問い合わせ:“SAKURA” Japan Women’s Wine Awards 事務局
日経ウーマノミクス・プロジェクト