今後ますます多様化していく日本ワイン

 

--2018年10月30日から適用がスタートした日本ワインの表示基準の改定。この影響もあり、ますます日本ワインへの注目が高まっていますよね。

掛川さん「この改定は、醸造家にとって本当に大きな節目でした。1990年代、かつては皆フランスのワインを目指してワイン造りをしていました。それが、90年代後半にヴァン・ナチュールというものが生まれ、旬のものを捉えて味を変えていくといった動きが始まりました。そして、2003年頃ですかね、山形県にある『タケダワイナリー』が造ったデラウェアの微発泡ワインが大ヒットし、日本ワインの注目度が一気に上がりました。その頃から、今の時代にフィットする味わいのワインを自由な感覚で造る醸造家が増えていったと思います。あと、2006年に発売したグルメ雑誌『dancyu』のワイン特集も日本ワインブームに拍車をかけたましたね。そして、表示改定を迎えた今。やっとですよ、やっとハッピーバースデー日本ワイン!って感じです(笑)。グレーゾーンがなくなった今、日本ワインに対する印象や造り手の意識は大きく変化していくと思います」

 

--担い手でもある掛川さんが思う、今後の日本ワインの可能性とは?

掛川さん「ひとくくりに“日本ワイン”と捉えるのではなく、ぶどうの品種に合わせた、もっと細やかな産地化が進むと思います。例えば、山形ならデラウェア、長野ならシャルドネといった感じに。今、新しいワインの産地は、固定概念を捨て、“適地適作物”といった考えのもと、ほとんどがその土地に合ったぶどうでワイン造りをしています。土地の特性に合ったぶどう品種を見つけると、ワインのクオリティは一気に上がるんですよ。今後、ますます個性豊かでおもしろいワインが増えていくと思います。と、同時にワインの楽しみ方も広がっていくはずです」

 

--最後に、掛川さんご自身の今後の展望を教えてください。

掛川さん「ここ西蒲区は、アルバリーニョというスペイン産のぶどうが土地の特性にぴったりなんです。現在、ワインとして商品化しているのは少数ですが、3年後くらいには安定供給できるよう、体制を整えています。ほかのワイナリーと力を合わせて、いずれは北陸をアルバリーニョの拠点にしたいですね。また、若手の醸造家は、生食としての人気が下火になり流通していない品種をワインにし、その個性を強みにしたワイン造りを楽しむ人が増えているんです。もちろん、醸造家の数も増えています。自由な気質で作ったエモーショナルなワインが増え、ワインは優しくて楽しむものっていう感覚を広めていきたいです」

 


ワイン業界の第一線で活躍する醸造家・掛川史人さんのお話はいかがでしたか? そんな方が作るワインを、ワイナリーで購入できる新潟ってほんとにステキなところですよね。新潟Komachi本誌を参考に、新潟県内にあるワイナリーを訪れてみてください。風土を凝縮したおいしいワインに出会えるはずです。

 

カーブドッチワイナリー

 [住所]新潟市西蒲区角田浜1661 
[電話番号]0256-77-2288
[営業時間]10時~18時
[定休日]なし

 

※記事のトップで使用している画像は長岡市にあるレストラン「Carnet」の料理イメージ写真です。こちらも本誌のワイン特集で紹介していますので、ぜひご覧ください。