先日、長岡市へニンニクの取材に行ってきました。長岡市では6年ほど前から、冬場の農作地の有効活用としてニンニク栽培が盛んに行われています。
こちらが出荷前のニンニク。ニンニクは9月下旬に植え付けし、土の中で越冬させ、翌年の6月頃に収穫します。収穫後は3週間ほど乾燥させ、専用の倉庫で保管しながら8月から12月まで徐々に出荷するんですって。
つまり上の写真のニンニクは、2016年の9月に植え、土の中でその年の冬を越し、2017年の6月に収穫されたもの。
寒さに強いニンニクは雪の下でも大丈夫。土の中でゆっくり休眠させることによって甘みが増すそうです。今回取材したニンニクは2017年の9月に植えたもの。2018年の8月から出荷が始まります。
こちらは収穫したニンニクを、じっくりと熟成させた「黒にんにく」。JA越後さんとうで作られています。ちなみにこのあたりでは、自宅で黒ニンニクを作る農家さんも多いそう。
「自宅で作る場合は炊飯器を使います。ただ、臭いが染みわたってしまうので、普通には使えなくなるんですよ。だから、一家に2台炊飯器があるんですよね」。ご飯用と黒ニンニク用。すごい…。
ところで、皆さんは買ってきたニンニクをどうやって保存してました? 室内に吊したり、ネットに入れたままだったり、室内で保存しているという人、意外と多いのではないでしょうか。
室内保存しがちなニンニクですが、農家さんいわく「温度が高いと芽が出て、味が落ちてしまう」とのこと。保存袋などに入れて、冷蔵庫の野菜室で保存するのがベストなんだそう。
農家さんたちは、漬けものにしたり、まるごと炊き込みごはんに入れたり。ニンニクをそのまま使ったレシピで、香りやうま味を楽しんでいるそうです。
こちらはニンニクと鶏肉の炊き込みごはん。ニンニクと鶏肉を炊き込みごはんの要領で炊くだけなんですが…これがうまい! ※詳しいレシピは新潟Komachi3月号に掲載中です。
ちなみに漬けものは「しょうゆ・みりん・酒を煮立てたものに漬けておくだけ」といった簡単レシピ。これもまた…おいしすぎて、その後の臭いも気にせず取材中パクパク食べていました。
「黒にんにく」を使ったアイスクリーム。まるでプルーンのような食感の「黒にんにく」は、そのまま食べてももちろんおいしいですが、こんな使い方もアリなんですね。
>>香りと甘みの強さが特徴の長岡のニンニク。静子はどう料理するのでしょう?
長岡のニンニクを使った静子流レシピは「アクアパッツァ」です。
「ニンニクのおいしさを味わうならコレよ。バゲットも必ず用意してほしいわね。まわりのスープに浸しながら食べたら…もう」
【お手軽アクアパッツァ】
ー材料ー
タイ、スズキ、タラなど白身魚…4切れ
アサリ(砂抜きしたもの)…200g程度
ミニトマト…8個程度
ブロッコリー…適量(あればでOK)
レモン…1個(半分は輪切りに、半分は仕上げの絞り汁に)
パセリ…1/2束
塩…適量
オリーブ油…たっぷり(フライパンの底一面に引く程度、仕上げのひとまわし)
ニンニク…3~4片
粗びき黒コショウ…たっぷり
ー作り方ー
1.白身魚に軽く塩をまぶし、10分程度おく。水で洗い、水分をしっかり拭きとる。
2.フライパンにたっぷりとオリーブ油を入れて熱し、弱火でみじん切りにしたニンニクを炒める。香りが立ったら、白身魚を並べ、まわりにアサリを入れて強火に。塩ふたつまみ程度と、粗びき黒コショウをたっぷり振り、白ワインを加える。
3.強火のままフライパンを激しく揺すりながら、オリーブ油と白ワインを乳化させる。ミニトマト、一口大に切ったブロッコリーを入れ、強めの中火にしてフタをする。10分程度蒸し焼きにする。その間、時々フライパンを激しく揺する。
4.アサリの殻が開き、白身魚に火が通ったら器に盛る。オリーブ油をまわしかけ、輪切りにしたレモンを飾り、みじん切りにしたパセリ、黒コショウをかけ、レモンを搾る。
「ニンニクは弱火で炒めなきゃダメ、焦げておいしくなくなっちゃうから。ポイントは火力と乳化。強めの火でグツグツさせながら、フライパンを激しく揺するの! 魚のダシ、白ワイン、オリーブ油をしっかり乳化させることがおいしさの決め手よ。和食の煮魚とはワケが違うんだから」
だそうです。強火、乳化。そしてバゲット。ニンニクは滋養強壮のある食材ですから、寒い季節にはぴったりです。暖かい部屋でキリッと冷えた白ワインと一緒にアクアパッツァ、楽しんでみてください。