俳優の岸谷五朗さん、寺脇康文さんが1994年に結成。岸谷さん、寺脇さん以外のメンバーは固定せず、ゲストを迎えてのプロデュース公演というスタイルで、これまでに14作品を上演してきた演劇ユニット・地球ゴージャス。その最新作となるダイワハウスSpecial 地球ゴージャスプロデュース公演 Vol.15「ZEROTOPIA」が、4月9日(月)の東京公演を皮切りに全国を巡り、6月には新潟公演も開催されます。
この上演に先駆けて来県した岸谷さん、寺脇さんにインタビューを敢行。新潟のこと、お互いのこと、そして最新作について1時間半にわたって、じっくり熱く語っていただいた内容を全3回に分けてご紹介します。
東名阪(東京・名古屋・大阪)を除くと、地球ゴージャス作品の上演回数が地方トップクラスの新潟。県民からすると非常にうれしいわけですが、一方で新潟が選ばれた理由も気になるところ。
岸谷「(まだ新潟で上演したことがなかった初期のころに)『演劇が(根づいて)ない所に行きたいね』という話をしていたんです。東名阪に行ったら(次は)仙台っていうのが普通の考え。新潟に行こうっていうのはすごくチャレンジングだったんです」
寺脇「名古屋、大阪で西の方は行ったから、バランス的にも東京より北で上演したいという思いがあって。『開拓』という意味もあって、仙台ではなく新潟で観てもらいたいという思いがあったかもしれないです」
岸谷「おじさんの会社の保養所が新潟にあったので、子どものころに結構連れてきてもらっていたんです。だから僕は仙台より新潟の方がなじみがあって。それも少し影響したかもしれないですね」
そんな2人が地球ゴージャスとして初めて新潟で上演したのが、今も名作として語り継がれている「クラウディア」。この新潟公演は、2人にとって忘れることのできない思い出として今も心にしっかりと刻み込まれていると言います。
岸谷「2005年に亡くなった本田美奈子.さんの最後の舞台になったのが「クラウディア」(新潟では2004年7月上演)なんです。いろいろな地方を巡って、新潟は最終公演。本当にいろいろな思い出が巡ります。あの時打ち上げで行ったお店は、こうしたキャンペーンや新潟公演があるたびに今も通っていますし。だから新潟でこうして今回また、公演ができることを本当にうれしく思っています」
寺脇「僕も新潟というと、やっぱり「クラウディア」が頭に浮かびます。本当に思い出深い作品です」
「クラウディア」以降、新潟では「ささやき色のあの日たち」「X day」「海盗セブン」という作品を上演。そのプロモーションのための取材や公演でたびたび新潟を訪れている2人は、すっかり“新潟通”になっているようです。
寺脇「特に「X day」の時は新潟に長くいたので、毎日ホテルから劇場まで、川沿いにジョギングしたりとか。それが日常になっていましたね」
岸谷「いいんだよね~。川があって。あとは新潟は何でもおいしいので、それを楽しみに来てますね(笑)」
寺脇「まず、日本酒を飲みたい(笑)」
岸谷「魚も本当においしいですよね」
寺脇「たまらないわけですよ。僕らもまあまあ大人になって、ちょっといいものを食べれるようになりましたし(笑)。一番驚いたのは、(越乃)寒梅をドボドボ入れた鍋。ホントに衝撃で。『これ、なんだよ』って(笑)」
岸谷「東京でも新潟のお酒を飲むんですよ。でもね、新潟で飲むほうが絶対においしい。新潟の空気と土地と気候、水が混ざり合ってるからだと思うんですよね。やっぱり新潟に来ないと」
寺脇「根付いてるものを、根付いてるところで食べるっていうことですよね。東京の新潟料理のお店に行くのと違うんだよね」
緊張感あふれる舞台の本番に臨み、そこから解き放たれる終演後は、キャストやスタッフと地のものを満喫し、労をねぎらう。それが地方公演の醍醐味(だいごみ)だと言います。
寺脇「やっぱり芝居がうまくいかないとお酒もおいしくないですから。ただお酒を飲みに来るじゃなくて、やっぱりいい芝居ができてそれを観てもらって、お客さんに笑ってもらえて、感動してもらって、拍手をいただいて。それからの『今日の自分たち頑張ったな』っていうのがあるから(酒も)おいしいわけで。おいしいお酒が飲める=いい芝居ができたよっていうことの証明でもあるので。酒ありきの芝居じゃなくて、芝居ありきの酒っていうところなんですよ」
岸谷「みんなそれを分かってるから、楽しみにしているんです。みんな(いい店に)連れてけ、連れてけってうるさいですよ(笑)。とにかく、今回もいい芝居をお届けしたいと、キャスト、スタッフ一同全力で臨みますので、楽しみにしていてください」
かなり饒舌(じょうぜつ)に、新潟について語ってくれた岸谷さんと寺脇さん。そんな2人に、今回上演される作品のこともガッツリ聞きました。その模様は次回。
◆公演概要
ダイワハウスSpecial 地球ゴージャスプロデュース公演 Vol.15「ZEROTOPIA」
【日時】6月9日(土)❶12時30分 ❷17時30分、10日(日)13時 【会場】新潟テルサ
【料金】SS席12,000円、S席9,500円、A席8,500円
【Lコード】32210 【Pコード】483-415
【チケット】発売中 【備考】未就学児入場不可
【問い合わせ】キョードー北陸チケットセンター ☎025-245-5100
【作・演出】岸谷五朗
【出演】柚希礼音 西川貴教/新田真剣佑 宮澤佐江・花澤香菜(Wキャスト)/
藤林美沙 原田薫 大村俊介(SHUN)水田航生 植原卓也/岸谷五朗 寺脇康文 ほか