お店の一角からヴィエノワズリーの誘惑
皆さん、「ヴィエノワズリー」という言葉を聞いたことはありますか?ヴィエノワズリーは、シンプルにいうと「パンとスイーツの中間」。卵やバター、牛乳などをたっぷり使う、リッチなおいしさの菓子パンの総称です。主に、クロワッサン、デニッシュ、ブリオッシュがヴィエノワズリーに当たります。
今回訪れたのはパティスリー「プレジール」。名前を聞いたことのある方、行ったことのある方、たくさんいるのではないでしょうか。「巻ルーロ」というロールケーキが有名ですよね。私も手土産によく買います。テッパンです、間違いありません。でも、今回紹介するのはパン。実はこちら、ヴィエノワズリーも評判なんですよ。「スイーツと一緒に必ず買う!」。そんな人が多いということで、さっそく行ってきました。
場所は角田山のすそ野、のどかな田園風景が広がる新潟市西蒲区巻町です。お店に入ると、穏やかな雰囲気が漂っています。ショーケースや棚には、スイーツがいっぱい。パンはどこにあるのでしょうか?
ぐるっと見回すと…ありました!
パンコーナーからは、なんだか芳しい香りが…。誘われるがまま、気付けば棚の前です。さて、どんな種類があるのでしょうか?
このアップルパイ、土台がどっしり! 高さが10センチくらいありますよ。ぷっくり膨らんだパイ生地からは、食べる前にその香ばしさが伝わるほどの、ビターな香りが漂っています。
クロワッサンはどちらも、とてもいい匂い。ほんのりバターが焦げたような香りです。たまりません。
プライスカードを見ると、バターをたっぷり使った甘みのあるブリオッシュ生地、と書かれています。だからこの値段なんですね。生地からも、おいしい香りがしますよ。
ん?なんだか興味をそそられます。パンというよりはシフォンケーキに似ています。見た目からもソフト具合が伝わってきますね。近づくと、まったり甘~い匂いが鼻をくすぐってきます。
ヴィエノワズリーがどんなものか、これでバッチリだと思います。プレジールのヴィエノワズリーは、さすがパティシエの焼くパンといった感じ。食べる前から、誘ってくるんです。魅惑の香りで。まるで焼き菓子。こちらのパンは、「香り高い」という言葉がぴったりなんですよ。
どんな素材? どんな製法? 気になりますよね。オーナーシェフの岡村克巳さんにお話を聞きました。
独学で始めたパン作り! 原点はミルフィーユのパイ
プレジールでヴィエノワズリーを始めたのは15年前。もともとパン作りに関心のあった岡村さんが、独学でチャレンジしてみたのが始まりです。「プレジールのパンの原点はミルフィーユのパイです。パイに自信があったので、これをベースにクロワッサンやデニッシュを作ったら絶対おいしいと思いトライしました。実は、素材もレシピもパイとさほど変わらないんですよ」。
なるほど、だからなんですね。魅惑の香りの秘密は、やはりパティスリーならではの素材とレシピにありました。「香りの良さを大切にしたくて。ミルフィーユのパイと同様の、こだわりの素材を贅沢に使ったレシピです。当然、最初はうまく焼けませんでした。でも譲れなかったんです」。
プレジールで使う素材は一つ一つ岡村さんが厳選。バターや小麦粉、砂糖に塩と、上質なものだけを使っています。素材を確かめる時、岡村さんの目はキリッと厳しさを増します。
クロワッサンとデニッシュ以外のレシピも、リッチな素材の使い方をしているそう。「詳細は企業秘密です」と岡村さん。
タイミングよく「オーブンの中をどうぞ」ということで、拝見しました。クロワッサンを焼くところです。見えますか? 織り込まれたバターがじんわり溶け出していますよ! 特にクロワッサンやデニッシュは「バターがたっぷり」なんですって。
焼き上がると、オーブン周辺に香ばしい匂いがふぉんわり。「ここから離れたくない!」「ずっとかぎ続けたい!」。そんな気持ちにさせられます。
プレジールのパンは、その香りがかき立てる想像の通り、味わいも豊か。素材のおいしさがしっかりと伝わってくるんです。パティスリーが作るヴィエノワズリー。口にしてみると、ひと味もふた味も違いますよ。
プレジール
[住所]新潟市西蒲区巻甲62-1
[電話番号]0256-72-0556
[営業時間]10時~19時
[定休日]月曜、月2・3回連休あり
[駐車場]20台