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【連載:あの街の、あのパン屋さんVol.3】コッペのおいしいパン屋さん

学校の給食でおなじみ。昔から素朴なおいしさで親しまれているコッペパンが、今ブームです。ここ数年の間で、全国的に専門店が続々登場。その人気は、現在進行系です。

新潟のコッペパンといえば、やっぱり「南雲ベーカリー」ですよね。2015年にまさかの閉店。あのコッペパンが食べられなくなるなんて。それ以来、探し続けていました。こだわりのコッペパンがあるお店を。

そんな中で発見したのが、新潟市中央区の「みなと街ベーカリー」。半年前にオープンした新しいお店です。「看板メニューがコッペパン」という噂を聞いて、すぐに訪ねてみました。

 

 

コンテナ2つ分の、小さなお店。

場所は新潟市歴史博物館「みなとぴあ」から車で約5分。お店はなんと、コンテナ2つをつなげて造ったそう。控えめな大きさですから、見落とさないように注意してくださいね。かわいらしい水色の自転車が目印です。

 

中に入ると、ショーケースに入ったパンがお出迎え。対面式販売、というよりは、対話式販売。お店がコンパクトな分、お客さんと店員さんの距離が近くて、自然と会話が弾むようです。

 

ショーケースに並ぶパンは、親しみやすい菓子パンや食事パン、ツウ好みのハードパンなど、バランスのいい品ぞろえ。30種類ほどでしょうか。「生地を食べてください」と、訴えているようなシンプルなパンばかり。飾り気のない感じがステキです。

 

ありましたよ、噂のコッペパン。僕が訪れたのはAM10時。続々と売れていきます。まとめ買いをするお客さんも多くて、1時間の間に30個ほどなくなりました。すごい。

 

 

これといって打ち出されているわけでもなく、ほかのパンと同じように並べられていながらも、どんどん売れていくコッペパン。形も大きさもいたって普通。では、どんな秘密が隠れているのでしょうか?オーナーシェフの高井淳志さんに聞きました。

 

コッペパンにはどんな秘密が?

ムギュッとおいしい、他では味わえないコッペパン。

「昔からなじみのあるパンをどうおいしく進化させるか」が、高井さんのモットー。「大切にしているのは粉と酵母」と、話します。シンプルに聞こえますが、実はとても複雑。コッペパン1つにしても、深いこだわりが詰まっているのです。

 

仕入れる小麦粉は上質な北海道産が中心。風味や食感など、特徴の異なる数種類を独自の配合でブレンドしています。

 

酵母はぜんぶ自家製です。ヨーグルト、マスカットレーズン、季節のフルーツ…。特性の異なる5種類ほどを育てています。「理想の風味と食感を出すために」と、高井さんは粉と酵母の組み合わせをひと工夫。試行錯誤の末に、今のレシピが完成しました。

 

焼き上がりがこちら。パンパンに膨れていますね。頬張ってみると、ムギュ、ムギュムギュ。想像していた食感と違います。ふわっ、ではありません。そして、かむほどに芳醇な風味が口いっぱいに広がります。えりすぐりの粉と独自の酵母から生まれる、奥行きのあるおいしさです。

 

コッペパンは4種類。クリームがサンドされていますが、ファンの中には「生地だけでも十分だから何も塗らずに」と、予約をする人も。こちらならではの生地のおいしさは、しっかりとお客さんに伝わっているようです。

 

 

厳選小麦に自家製酵母と、独自のこだわりを追求する「みなと街ベーカリー」。今どきのスタイルでいながら、看板メニューは素朴なコッペパン。このギャップ、いいですよね。逆にそそられます。食べたらちょっと驚きますよ。想像するコッペパンとは、風味も食感も違いますから。

みなと街ベーカリー

[住所]新潟市中央区赤坂町2-3188-12
[電話番号]025-378-3643
[営業時間]7時30分~17時

[定休日]水・木曜
[席数]なし
[駐車場]3台

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