2004年の設立以来、新潟市にあるりゅーとぴあを拠点に国内外で活動している国内唯一の公共劇場専属舞踊団・Noism。ここでは、新潟と東京で行われる最新公演に先駆けて行われたメディア向け公開リハーサルの様子をお届けします!

 

これまでに、「見世物小屋」「劇的舞踊」「近代童話劇」という3つのシリーズを作り上げ、国内外で高く評価されてきたNoismが次に挑むのは「実験舞踊vol.1『R.O.O.M.』/『鏡の中の鏡』」。物語を独自の解釈で描いてきた彼らが舞台芸術を科学として捉え、身体表現の可能性を純粋に突き詰める挑戦的な作品『R.O.O.M.』と、芸術監督・金森穣さんと副芸術監督・井関佐和子さんのデュオ作品『鏡の中の鏡』の2本立てです。

 

公開リハーサルでは新シーズンに入り多国籍化したNoism1のメンバーで作り上げられる『R.O.O.M.』が披露されるとのこと。設立15周年を迎えた彼らが今、あらためて掲げる“実験舞踊”というテーマに期待が膨らみます。

 

場内に入り、まず目に入ったのは、メタリックな壁で囲まれた大きな箱。この箱を舞台に、どのようにパフォーマンスが繰り広げられるのでしょうか。

 

芸術監督・金森穣さんが「始めようか」と合図をすると、機械音のような重厚感のあるサウンドが響き渡り、一人の舞踊家がゆっくりと体を動かし始めます。

 

そこへ、開いた壁の一部からもう一人の舞踊家が登場。さらに次々と加わり、ステージはめまぐるしく展開していきます。

 

金森さんが「今回の動きの核は“スパイラル”です」とお話されていたように、さまざまな形で“スパイラル”というテーマを表現していく舞踊家たち。人数の増減や空間を巧みに使いながら繰り広げられる、それぞれに独立しているようで、時折シンクロする動きに「次は何が起こるんだろう・・・!」と想像力がかき立てられます。

 

人数、動作、時間、空間といったさまざまな要素を変化させ、時に重力をも無視するかのように展開されるバリエーション豊富な身体表現は、まさに舞踊の可能性を探る今回の“実験”というテーマそのもの。

 

今回公演が行われる会場は、いずれも100席程度のスタジオサイズなので、舞踊家の皆さんの息づかいや熱量が伝わってくる距離感に、こちらも手に汗を握る緊張感があります。

 

約45分間、流動し続けるステージはまばたきを忘れてしまうほど迫力満点。
見た後も頭の中で残像がぐるぐると残る、強烈な体験となりました。

 

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