よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のお笑い芸人が出演し、なんばグランド花月を舞台に毎日上演している吉本新喜劇が、5月19日(土)、全国ツアーで新潟にやって来ます。
 この公演を前にした4月某日、吉本新喜劇の座長を務める・すっちーさんと、“音芸”で存在感を発揮している松浦真也さんが新潟に来県。新潟県民にはなじみの薄い吉本新喜劇の魅力について語ってくれました。

 

 

 吉本新喜劇が繰り広げるのは、お芝居の中に笑いが散りばめられた“喜劇”。すっちーさんは座長、松浦さんはギター片手に“音芸”で今や吉本新喜劇になくてはならない存在になっていますが、それぞれ入団の動機は全く異なります。

 

すっちー「僕は漫才のコンビを解散して、新喜劇に入りたいと意思を伝えて、じゃあ来てくださいみたいな感じでした。ただ今は、『金の卵オーディション』というのがあって。そこに合格したら入団できるみたいなのが一般的です。松浦は、金の卵オーディションの1期生なんです」

 

松浦「僕はちょっと変わってて、会社をクビになって家でずっと引きこもってたんです。姉がそれを見かねて『あんたギターできるんやから、新喜劇オーディション受けたら?』って。受けたら、運良く受かりました。後で聞いたら、審査員の中で一人だけ推してくれてたらしいんです。ほんま、姉と推してくれた審査員のおかげで今ここにいます」

 

 漫才で実績を残し、”鳴り物入り”で入団したすっちーさんと、素人同然でお笑いのプロ集団に放り込まれた松浦さん。背景は全く違いますが、入団当初2人とも、独特の”笑い”の世界に戸惑ったといいます。

 

 

すっちー「僕は入団する前に、漫才をやっていたんですけど、笑いの取り方が全然違うんです。漫才もそれなりにやってきたし、『これでいけるわ』と思ってやったことが全然うけない。同じお笑いなのに、こうも違うかってカルチャーショックを受けてたときに、座長の小籔(千豊)さんに『新喜劇には新喜劇の笑いの取り方があるから、漫才の時の笑いの取り方いったん捨てた方がいいよ』とアドバイスいただいて。(池乃)めだか師匠にも『すっちゃんな~、これ恥ずかしい、照れると思うで、ベタ過ぎてな。でもこうやってやるからうけんねん。ネタの真髄をもういっぺんちゃんと見て、ちゃんと(台本通りに)やってみぃ、うけるから』と言われて。台本には恥ずかしいくらいベタなことが書いてあるんですけど、その通りにやるとすごくうける。ドンっとうけるんです。ちゃんとボケまでの流れや、回りの体制ができているんです。新喜劇が始まって約60年間、笑いに厳しい大阪で生き残ってきたのには、ちゃんと理由があるんです」

 

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