7月4日(水)に新潟県民会館で上演される「松竹大歌舞伎」。

その製作発表が、5月16日に東京都内で行われました。

 

全国公立文化施設協会が主催する「松竹大歌舞伎」は、今年で51年目を迎える巡業公演。

 

新潟を含む中央コースでは、ほっこり胸が温かくなる物語で人気の「人情噺文七元結」と、コミカルな踊りが見どころの「棒しばり」が上演されるほか、中村橋之助改め八代目中村芝翫、中村国生改め四代目中村橋之助、中村宗生改め三代目中村福之助の親子同時襲名披露が行われます。

 

 

製作発表で中村芝翫さんは歌舞伎への思いや自身の使命について次のように語りました。

 

 

中村芝翫「一昨年から始まった襲名興行も今回で最後となります。昨年は東コースと西コースに出演しましたが、これまで中央コースに一番多く出演しており、大変思い出深い巡業コースでございます。襲名にあたり、時代物を主流とする発言をしましたが、最近は世話物を強く志しており、昨年12月に『人情噺文七元結』の長兵衛を演じ、作品の素晴らしさ、人情の温かさ、そして自分も襲名で経験した、人に支えてもらった心の優しさを、この作品を通して味わったような気がしております。芝居をすることによって人に勇気を伝えることが私たちの使命であると感じております。そういう意味でも、人情話が喜びと悲しみを経て勇気を皆様に与えるものと考えております」

 

そして、今回の演目で重要な役柄を務める中村芝翫さんの二人の息子、橋之助さん、福之助さんも意気込みを力強く語りました。

 

中村橋之助「この襲名披露興行を通して多くのお役を務めさせていただき、本公演では『人情噺文七元結』の文七を、最後には弟と一緒に『棒しばり』を務めさせていただき、こんなうれしいことはございません。文七はずっとやりたかった憧れの役で、お話の中心人物を演じるのも初めてです。弟と役替わりですので、『橋之助の方がよかった』と言っていただけるように精一杯務めて参りたいです。『棒しばり』は兄弟で子どものころから遊びで演じており、弟と出来るのは大変心強いですし、ぜひお客様に喜んでいただきたいです」

 

中村福之助「この一年半では身に余る大役を務めさせていただき、内容の濃い、吸収できるものがたくさんあった時間でした。その締めくくりがこの巡業で、『人情噺文七元結』は子どものころより親しみのある作品で、やらせていただくのが楽しみです。『棒しばり』は、これまで父や兄と息を合わせる『連獅子』などを演じることが多く、その経験を生かしてどれだけできるかと意気込んでおります。若者らしく新鮮さ、純粋さをお届けできればと思っております」

 

中村芝翫さんは二人の息子の成長についてうれしさをにじませながら、巡業へ向けて多くの人に来場を呼びかけました。

 

中村芝翫「息子たちも襲名を通して多くのお役を務め、肉体的にも精神的にも成長していると実感しております。暑くなる時期ではございますが、多くの皆様に足を運んでいただけますよう、皆様よろしくお願い申し上げます」

 

 

 

覚悟を持って伝統を継承し、芸道を歩む一門の至極の舞台と、巡業を通じてよりたくましく成長した兄弟の姿。

歌舞伎初心者でも親しみやすく、知れば知るほど奥深い2作品を通して、歌舞伎の魅力に触れてみてはいかがでしょうか?

 

 

◆公演情報

松竹大歌舞伎

【会場】新潟県民会館 大ホール

【日時】7月4日(水)①13時30分 ②18時

【料金】各回/特等席6,000円、一等席4,500円、二等席2,500円、歌舞伎初めて席1,000円

【備考】チケット/発売中。

    未就学児入場不可(保育ルームあり・公演の2週間前までに新潟県民会館へ申し込み) 

【お問い合わせ】新潟県民会館 TEL:025-228-4481