猛暑が続く7月27日、都内で開催されたイベントに参加してきました。
暮しの手帖 創刊70周年を記念して出版された「戦中・戦後の暮しの記録 君と、これから生まれてくる君へ」(暮しの手帖社 2,700円)の朗読会。
急遽、開催が発表されたにもかかわらず、会場となった銀座・教文館のホールは満席でした。

登壇したのは実力派女優とアナウンサー。
紺野美沙子さん(57)、キムラ緑子さん(56)、魚住りえさん(46)、本上まなみさん(43)の4名です。

4人の実力派女優・アナウンサーによってよみがえる、戦中・戦後の記憶

この日は4人が自ら選んだ一編を朗読し、携わった暮しの手帖編集部の人たちとのミニトークもありました。

トップバッターは本上まなみさん(43)

一番手の本上さんは、体験記「愛犬アドヴィン号」毎田至子(87歳・金沢市)をセレクト。
軍用犬を世話した家族の手記を朗読し、「戦争は人間だけでなく、動物(犬)も戦地に行っていたことを知らなかった。当時の少女の目線に立ったときに、彼女の思いは一生忘れられないものだと思いました」と涙ぐんでいました。

続いてはフリーアナウンサーの魚住りえさん(46)

3歳から広島で暮らしていたという魚住さんは、広島への原爆投下で我が子を亡くした母親の悲しい体験を朗読。
「食べ残された水蜜桃半分」村木千鶴子(71歳・山口県柳井市)を朗読した後に、「絶対に泣かないと決めてきたけど、思いがあふれてきました」と涙ながらに語っていたのが印象的でした。

キムラ緑子さん(56)は平和の大切さを力強く語った

日本で唯一地上戦があった沖縄の体験記「死に場所を求めて」川崎昌子(82歳・那覇市)を朗読し、観客の魂を揺さぶったキムラさん。
「戦後、本州から米兵がいなくなったけど、沖縄にはまだ残っている。まだ戦争は終わっていないんです」と熱く思いを話してくれました。

最後に登壇したのは紺野美沙子さん(57)

切ない夫婦の物語を読み上げた後のミニトークでは、『暮しの手帖』編集長・澤田康彦さんと紺野さんは「戦争は二度と繰り返してはならない。そのためにもあの日々を生きた人々の体験を伝えていかなければならないんです」と語られていました。

今回のイベントで朗読された『戦中・戦後の暮しの記録 君と、これから生まれてくる君へ』には、『暮しの手帖』に届いた2390通の応募作品より157点を収録。
歴史の教科書では語られることのない、手記、手紙、絵、写真が掲載されています。
8月15日を前に、いま一度、ひとりひとりが日々の暮らしを大切にすることを考えさせられる一日でした。

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