幅広い世代から注目されるアーティスト・草間彌生(くさま・やよい)。近年は色鮮やかな連作絵画や、カボチャの彫刻作品などを手掛け、世界でも高い評価を受けています。2020年で91歳となる草間さんは、現在も精力的に作品制作に取り組んでいるそうです。

 

そんな草間作品の魅力に迫る企画展「蔵出しコレクション 草間彌生+アメリカに渡ったアーティストたち」が、新潟市美術館で2020年2月8日(土)から始まりました。今展は、新潟市美術館が所蔵する作品全85点を初めて一挙公開するほか、彼女と親交を深めた海外作家をはじめ、1958年から1973年までニューヨークを拠点に活動した草間さんのように、アメリカに渡って転機を迎えた作家の作品も展示されます。

 

まずは企画展スタート前日の2020年2月7日(金)に行われた開場式の様子から。

 

草間さんのトレードマークとなっている“水玉模様”にちなみ、招待者のドレスコードは「水玉」。中にはマスク姿の人も。会場の笑いを誘っていました。

 

 

足を踏み入れると一気に草間ワールドに

展示室に入ってすぐ目に飛び込んできたのは「流星」という立体作品。幅8.4m、高さ3.2mの大作です。

 

その周りには数々のエッチング作品がズラリと並びます。細かく描かれた点と線がゆがんでいたり、うねっていたり…不気味さと生々しさを感じる独特の表現が面白いです。

 

 

 

ハッとする色と立体作品の数々

色違いに刷られたリトグラフのカラー作品も並びます。

 

こちらは立体作品の「自己消滅」。動物やフルーツ、時計などが一つ一つの箱に入れられ、全てが水玉模様に。それぞれが周りと一緒に溶け込んでいくような不思議な感覚を覚えます。

 

 

国内外の作家作品

草間さんと親交のあったアメリカの美術家、ジョゼフ・コーネルと、南魚沼市出身の版画刷り師・木村希八(きむら・きはち)の作品も。ジョゼフさんとの交流エピソードは、特に興味深かったです。

 

さらに進むと第2部へ。村上市出身の矢部友衛(やべ・ともえ)、愛知県出身の荒川修作(あらかわ・しゅうさく)ら、絵画から立体まで、アメリカに渡ったアーティストによる作品の数々が並びます。

 

 

草間さんプロデュースのデザインケータイ

携帯会社とプロジェクトを組み、3種の携帯電話をデザイン&プロデュースした作品。

 

こちらはその内の一つ、2009年に限定100台で販売された「私の犬のリンリン」。犬の背中にケータイを収めて充電できる仕組みです。
最初の展示室で見てきた水玉模様が、こちらではポップで遊び心あふれるものに。また違う魅力がありました。

 


ミュージアムショップ「ルルル」には関連グッズが販売されています。ポストカードやクリアファイル、Tシャツ、画集などなど、幅広く取り扱っています。要チェックです!

 


「蔵出しコレクション 草間彌生+アメリカに渡ったアーティストたち」

 

〈会期〉2020年4月12日(日)まで

 

〈休館日〉月曜※2020年2月24日(月・祝)は開館

 

〈会場〉新潟市美術館 

 

〈住所〉新潟市中央区西大畑町5191-9

 

〈時間〉2020年3月31日(火)までは9時30分~17時、 
2020年4月1日(水)~12日(日)は9時30分~18時
※観覧券の販売は各閉館30分前まで 

 

〈料金〉一般500円、高大学生400円、中学生以下無料 

 

〈問い合わせ〉
新潟市美術館
電話 025-223-1622