涙と笑いで幕を開けた卒業コンサートですが、北原さんが選んだセットリストには、「まさか観られるとは思わなかった」とファン心をくすぐる名曲も数々披露されました。

 

「私、歴代のメンバーの中でも一番チームを渡り歩いているんですよ。研究生から始まり、(チーム)B、K、A、SKE48行って、Kに戻ってNGT48みたいな。すごい自分的にも波瀾万丈なAKB48人生だったなと思うのでそれを表したくて、チーム曲だったり、ユニット曲だったりを順番にやらせていただきました」

 

(c)AKS

 

 こだわったという演出では、北原さん自身が輝きながら、他のメンバーの個性をしっかり生かされていて、メンバー思いの一面を感じました。

 

「自分の卒業コンサートだけどメンバーに見せ場を作ってあげられるようにしたいなって思っていたんです。例えば、着替えのタイミングがあるときに、あいにゃー(日下部愛菜)とれいにゃー(清司麗菜)のアクロバットでつないでほしいってお願いしたり。2人ともダンスの技術が高いんですけど、あまり知られていない。大きなステージで得意のダンスを披露できて、よかったと思います」

 

 それぞれの個性を最大限に生かし、キャプテンの卒業コンサートに花を添えた後輩メンバーたち。でも舞台裏では、2年8カ月を共にしてきたキャプテンとの別れがつらく、大泣きだったといいます。

 

「メンバーの泣き顔はめっちゃ心に焼き付いてますね。まりな(西潟茉莉奈)とかびっくりするほど泣いてて。山田(野絵)は最後の1週間くらいは、私の顔を見るだけで泣いてました。リハの時もずっと泣いていましたし。本番前の円陣も私が泣き始めたら、みんな号泣で。でもそんなに思ってくれるのかって思うと、泣いてくれるのはうれしかったですね」

 

(c)AKS

 

 北原さんのことを思っていたのは、NGT48のメンバーだけではありません。AKB48グループの中でも特に北原さんを慕っていたメンバー(横山由依さん命名「りえちゃんず」)が、新潟に駆けつけ、一緒に踊り、歌いました。

 

「本当に忙しいのに、みんな来てくれました。実は、結構ギリギリまでスケジュールが押さえられないって言われていて。たくさんのバトルがあったんですけどなんとか、スケジュールを勝ち取りました(笑)。
 実際、AKB48のグループの中で中心にいるのは、AKB48であってほしいっていう思いがもともとすごい強くて。だから新潟のお客さんにAKB48感を全面に出したパフォーマンスを観てほしいと思ったんです。それと同時にAKB48のメンバーに対しても、『こんなに新潟は盛り上がっている』っていうのを見せたかった。だからメンバーに来てもらって本当に良かったです」

 

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