新潟県立万代島美術館で7月3日から9月5日(日)まで、企画展「大地のハンター展 ~陸の上にも4億年~」が開催されています。こちらの内覧会へ行ってきました!

動物(ハンター)たちが生きていくために必要な獲物を捕らえて食べる「捕食」に注目した自然科学展で、さまざまな展示を通して多種多様なハンティングテクニックや、生態系におけるそれぞれの役割と捕食の重要性を解き明かします。

今展では音声ガイド機の貸し出し(有料)があります。ガイド番号がある展示には、ガイド機にその番号を押すと声優・梶裕貴さんによる解説を聞くことができます。

第1章 はるか太古の時代。ワニが恐竜を食べていた!?

最初の展示は、太古の時代から。絶滅したものも含め動物の先祖たちは、どのように捕食し、どのように進化していったのか?ここでは化石や骨格標本を通して紹介しています。

そしてそこに現れたのは巨大なワニ!? こちらは白亜紀に生息していたとされるワニ類の「デイノスクス」の前半身の生体復元モデル。

解説によるとデイノスクスの全長はなんと12メートル!こんな巨大な体でどんな動きをしていたのだろうかと気になります。恐竜も食べていたとされるデイノスクス。こんな大きな口と歯とあごで挟まれたら、きっと恐竜でも逃げられないと思います。

第2章 それぞれの環境に適したハンターたち

ここからは現生のハンターたちを紹介するエリア。

前足の爪の太さにも注目!

サケなどを捕食するヒグマ。肩まわりの筋肉の盛り上がり方がすごい!

こちらでは水辺の最強のハンターとされるワニ類。北米大陸に生息するアメリカアリゲーターや南米大陸に生息するコビトカイマンなど、体の大きさやあごの形態はいろいろ。なぜこんなにも違いがあるのか?実物を見比べながらぜひ確かめてみてくださいね。

こちらは森や密林などで狩りを行うオオカミやトラなど。手前にいるウンピョウは樹上で狩りをするそうです。

ブチハイエナ、ライオン、コヨーテなどの草原に生きるハンターたち。トラとライオンはほぼ同じ大きさのネコ科ですが、見た目が異なるのは生息地や行動の違いに理由があるそう。こうやってじっくり観察できるのも標本展示ならではですね。

さらに「暗闇のハンター」たちとしてフクロウが大集合。辺りが静まりかえった暗闇の中なぜ獲物に近づけるのか?羽根や目の仕組みなどが詳しく解説されています。フクロウ以外にもモグラ、コウモリも登場します。

第3章 個性あふれるハンティング技術を紹介

アリやシロアリを食べるために細い口と舌が進化したオオアリクイ(左)とミミセンザンコウ(右)

ここでは獲物を捕るために進化させた体の仕組みや技術を紹介しています。

人間にとってもちょっと厄介な蚊も立派なハンターですね。ほかにもマダニやタガメ、一部のコウモリも血・体液を吸う生き物として紹介されています。

こちらは肉食昆虫のトンボたち。体の構造を解説するほか、珍しい品種も並びます。

日本にも生息している世界最小のトンボ「ハッチョウトンボ」。

世界各地のクモたちがズラリ。糸を張る以外の方法で獲物を捕らえるクモもいるんですね。その器用な技についても紹介されています。

ハチとカマキリそれぞれの種類や特徴なども解説。産卵や幼虫のエサにするために他の虫を狙うウマノオバチやオオスズメバチ、周囲の植物そっくりに擬態するバイオリンカマキリやハナカマキリなど、その個性あふれる生態に驚きです。

第4章 生態系のバランス崩壊や現代の問題を伝える

第4章では一部の動物の減少により生態系のバランスが崩れつつある問題や、人間の活動による動物たちへの影響などを解説。

飼育ブームで海外から日本に運ばれたアライグマ、人の移動により国内に定着したクモ・ハチなどの外来種たち。

エピローグには獲物を食べたり、その排泄物や亡骸を分解したりといった、あらゆる生き物にはそれぞれに役割があることを伝えています。今も続く環境破壊や絶滅危惧種の増加という問題も含め、地球上で生きる同じ仲間としてしっかり考えていかなければなりませんね。

▼おもしろグッズからかわいいぬいぐるみまでバラエティー豊かなグッズ売り場

Tシャツ、トートバッグや、フィギュアニホンカワウソのぬいぐるみなど、オリジナルグッズがそろっていました。

記念メダルの刻印機も発見!メダルに日付と自分の名前を刻印できるみたいですよ。

イベント情報

イベント名 企画展「大地のハンター展 ~陸の上にも4億年~」
開催期間 2021年7月3日(土)~9月5日(日)※休館日/7月26日、8月2日、23日の各月曜
開催時間 10時~18時(観覧券の販売は17時30分まで)
会場 新潟県立万代島美術館(新潟市中央区万代島5-1万代島ビル5F)
料金 一般1,600円、高大学生1,300円、中学生以下無料※障害者手帳・療育手帳の持参者は無料
お問合せ先

新潟県立万代島美術館
電話025-290-6655