―今回、なぜロケ地に新潟を選ばれたのですか?

矢口監督「本当は『新潟が好きなので…』とか言えればいいんだけど(笑)、今作は(主人公たちが)東京を出発して、新潟を通って、秋田、青森、札幌と移動していくんですね。その旅の行程で、どうしても新潟が出てくるんです。ただ、新潟はキャンペーンなどで過去に何度も来ているので、萬代橋とか知っていて。台本にはあまり迷いもせず、橋を渡るとか、河原でライブがあるとか頭で情景を浮かべながら書きました」

 

―(取材日は)ロケ2日目ですが、撮影は順調に進んでいますか?

矢口監督「順調です。非常にスケジュール通りにばっちり撮影できてます。この後も雨になるかもしれませんけど(笑)」

 

―今作は、矢口監督史上初のミュージカルコメディーです。どんなところから着想されたのですか?

矢口監督「ミュージカルの映画はたくさん観てきたんですけど、実を言いますと、好きな作品もあればなかなか入り込めない作品もあったんです。(入り込めない作品は)ミュージカルが苦手な人の理由はたぶん同じだと思うんです。『そこでなぜ歌いだすんだ、踊りだすんだ』ということ。(歌や踊りが)自然と入ってくればのれるんですが、それがうまくいってない映画だとのれなくなってしまう。なので、『突然歌いだす、踊りだすのにはちゃんと理由があるんだ』っていう映画をいつか作りたいとずっと思ってたんです。

 そんなとき「ラ・ラ・ランド」という映画が大ヒットした。ある種の事件として、すごく良かったと思います。あの映画が大ヒットして、日本でもみんな観ました。『日本だとミュージカルなんか作ったってどうせダメだ。作らないほうがいい』という風潮がずっとあったんですけど、変わりましたね。企画としてやりやすくなりました。あの映画以前とその後では全く雰囲気が違いました。雰囲気が全く変わったんで、これはチャンスだと思いました。

これまでの作品、もっと言うと『スウィングガールズ』の時から、ミュージカルシーンを入れようと画策をしてたんですけどね(笑)。結局やめちゃいましたけど」

 

 

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