純粋に「楽しい」と思えることに真剣に向き合うこと

 

1962年に「可愛いベイビー」でデビュー。印象的な大きな瞳と、厚みのあるセクシーな歌声、軽妙なトークで人気を集め、瞬く間にスターダムを駆け上がった中尾ミエさん。近年は、ドラマ、映画、バラエティーなどで幅広く活躍。70歳を超えた今なお、バイタリティーあふれる活動を繰り広げています。

 

そんな彼女が現在、ライフワークとして力を注いでいるのが、さまざまな高齢者が集うデイサービスを舞台にしたオリジナルミュージカル「ザ・デイサービス・ショウ ~It’s Only Rock’n Roll~」。2015年の初演以来、各地で話題を呼び、今年4回目の再演を迎える今作が、4月26日(木)に新潟県民会館で上演されます。

 

今回、新潟市初上演を前に、中尾さんにいろいろとお話を伺いました。

 

 

「もともとこのミュージカルの前に、『ヘルパーズ!~あなたがいる風景~』っていう作品を6年ぐらい上演していたの。それは私が演じる主人公がヘルパーの資格を取って、高齢者を介護するストーリーだったんだけど、よく考えたら私も高齢者だなって(笑)。これからは高齢者自身が健康でいることが必要でしょ? 私も一人の高齢者として、誰かのお世話になるのではなく、できる限り自力で楽しんで生きていかなきゃいけないと思ったのがきっかけで、この作品が生まれました」

 

ネガティブなイメージを持つ人も少なくない「年齢を重ねる」ということ。

しかし、このミュージカルでは「新しい高齢者」「New ビンテージ」というテーマを掲げ、音楽を通して高齢者たちが生きがいを取り戻し、ポジティブに過ごす様子を描いています。

 

「高齢者にとって介護は受け身なイメージが強いじゃないですか。だけどそうじゃなくて、今までの殻を破って自分たちで楽しいものを作り出しましょうっていうこと。与えられるのを待つんじゃなくて、自分たちから『まだまだ元気ですよ』って発信していきたいの」

 

そう語る中尾さんは、はつらつとしたパワーに満ちています。

 

私の同期はThe Beatles。(次ページへ)