1998年10月22日に開館した「りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館」(以下、りゅーとぴあ)。新潟市の芸術文化活動の中心として、コンサートや演劇、舞踊などさまざまな公演が開催され、県内外から集まる多くの人々を楽しませてきたこの場所が、今年開館20周年を迎えました

 

 これを記念して5月から「りゅーとぴあ開館20周年記念事業」と冠し、同館の専属舞踊団として世界的に活躍しているNoismの最新作や、野村万作さん・萬斎さん親子による狂言、能やオーケストラといった多彩な公演が上演されてきました。この事業の締めくくりとして、10月にミュージカル「シャンポーの森で眠る」が上演されます。

 

 1998年に開館記念ミュージカルとして上演されたミュージカル「シャンポーの森で眠る」は、ある双子の兄弟が一人の女性を愛してしまうことに端を発する、切なくも美しい物語。観客を魅了する舞台を目指し、新潟のスタッフとキャスト、そして東京で活躍するキャスト・スタッフで作り上げ、その高いクオリティーに劇場は感動に包まれました。

 

 その後、開館3周年となる2001年に、双子の兄弟に愛される少女・ファデットをクローズアップしたリメイク版を上演。新潟在住の出演者が数々の魅力的なキャラクターを好演し、東京公演も開催されるなど、大きな話題を集めました。

 

開館3周年記念ミュージカル「ファデット」(2001年)

 

 そして、開館20周年を迎えた今年。リメイク版「ファデット」の構成を用い、新演出版「シャンポーの森で眠る」として、17年ぶりとなる待望の再演が決定しました。

今回の公演では、舞台やドラマなどマルチに活躍する松村雄基さん、元劇団四季主演女優の木村花代さんというプロの俳優に加え、オーディションで選ばれた新潟キャスト60名が出演。新潟・東京の出演者&スタッフが一丸となって、“奇跡のミュージカル”を創作します。

 

 10月の本番に向けて、新潟キャストによる稽古が行われた8月某日。ヒロイン・ファデット役を演じる県内在住の現役女子高校生・生越佳奈子さんと、準ヒロイン・マドレーヌ役を演じる女優・藤田カロリーナさんにインタビューを敢行。お二人と作品の出合いや今作に懸ける思いなど、すてきなお話をたくさん伺いました。

 

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