デビュー作「花火の魔法」は、バラエティー豊かな5曲を収録したミニアルバム。表題曲「花火の魔法」は、色鮮やかでどこか切ないポップサマーチューンです。

 

「これは2年前の夏に友達と6人で旅行に行って、手持ち花火をしてた時に、『手持ち花火って魔法みたいだね』って話になったのがきっかけでできた曲です。その会話から『花火の力で好きな人が自分と恋に落ちる魔法をかけたい』って願う女の子の物語があったら素敵だなって浮かんで、すぐに携帯にメモをして、去年の夏に曲にしました。夏っていう刹那的な季節にするからこそ花火は魔力を持つと思うんです。夏の夜って特に今まで言えなかったことが言えちゃったり、今までできなかった大胆なことができたり、いつもの自分じゃない自分になれる魔力を持ってる季節だなって。この曲は好きな人に対して『花火の魔法』をかけたいって願っている女の子の物語ではあるんですが、実際その子自身が夏の魔法にかかってる。そんな夏特有の空気感を詰め込んだ楽曲ですね」

 

 ミニアルバムに収録するにあたって行ったレコーディングでは、有名アーティストのライブなどで演奏を行う経験豊富なミュージシャンが集結し、杏沙子さんのイメージを音で繊細に表現してくれたそう。

 

 

『夏が終わる音ってなんだろう』『夏の夜のすごく楽しくてハッピーなんだけど、急に熱が冷めちゃうあの切ない感じを音で表すとどうなるんだろう』っていうのを相談しながら、プリプロダクション(=曲のアレンジ決めや仮歌入れなど、レコーディングをスムーズに行うためにする準備)でしっかり音を固めてレコーディングに臨みました。でも、レコーディングで素晴らしいミュージシャンの方々が、さらにスパイスを加えて、より立体感を生み出してくださいました。私のイメージを一瞬で汲み取って、それを音に変える能力が本当にすごいんです。初めて完成形を自分の部屋で聴いた時、うれしくって泣きそうになりましたね」

 

 この夏、ラジオを中心に日本各地で流れた「花火の魔法」。透明感のある歌声とキャッチーなメロディーでクセになる人が続出していますが、そんな彼女の最大の魅力は、時に明るく華やかに、時に切なく艶やかに、まさに変幻自在の歌声を使い分けて歌うこと。それは、この表題曲を含む5曲が収録されたミニアルバムを聴くことで実感することができます。

 

「小さい頃、松田聖子さんがアイドルってことを知らずに車の中でよく聴いていたんです。聖子さんは曲ごとに声の色が全然違って、楽曲に合わせて演じていらっしゃって。わたしもそれに憧れていたので、意識して声色を使い分けて歌うのが好きなんです。今回のミニアルバムでは、5曲とも全然違う世界を、違う声色で歌って、それにすごく喜びを感じたし、5曲合わせて1つの世界を作り上げることがすごく心地よかったので、これからもいろんな声や言葉で、いろんな世界を歌っていきたいです。それが『杏沙子らしさ』になっていけばいいな」

 

 シンガーを目指すようになったバックグラウンドから、夏を彩るキュンと切ない楽曲が生まれた秘話まで、たくさんお話をしてくれた杏沙子さん。最後に、シンガーとして新たな一歩を踏み出した彼女にこれから挑戦したいことを聞きました。

 

 

「今後は、自分でも『そんなの歌うの?』みたいな楽曲にもぐいぐい挑戦して、喜んで冒険していきたいと思います。私の曲がいろいろな場所に広がっていってほしいと思いますし、体もいろんなところに行ってライブをしたいなと思っています。私が聴いてきた音楽は、年齢問わず家族で聴ける音楽が多かったので、私の音楽も年代や性別など全く関係なく多くの方に聴いていただけたらうれしいです

 

 

 

【リリース情報】

ミニアルバム「花火の魔法」 発売中 

価格:1,728円(税込)

天気雨の中の私たち/マイダーリン(re-recording)/クラゲになった日の話

流れ星/花火の魔法 全5曲収録