新潟だけのスペシャルセッション

 

 10年以上前から、新潟でライブを行い、多くの人たちに音楽を届けてくれている、シンガーソングライターのCaravan。5月17日(金)に新潟で行われるライブでも、とてもスペシャルな体験をさせてくれることになりました。

 

 

「新潟の皆さんには、いつも本当に温かい気持ちで迎えてもらって、僕の音楽が深く理解されている気がしているんですよ。だから僕も毎回来るのが楽しみなんです。それで今回は、食べ物にたとえるなら、新鮮でちょっと珍しい素材を使って、あまり皆さんが口にしたことのないような味を楽しんでもらおうかなと思ったんです」

 

 そう語るCaravanと今回ステージをともにするのは、インドの伝統楽器・タブラの奏者U-zhaan(ユザーン)とドラムの椎野恭一さん。3人でのライブは、去年の秋に東京で行った一度きり。今後も新潟以外での予定は、今のところないようです。

 

 

「2人との付き合いは、それぞれ長いんですが、去年、実際に3人でライブをやってみたら、僕自身とても楽しかったし、ミュージシャンとして貴重な体験になりました。その感覚が記憶だけじゃなくて、体にも残っているうちに、もう一度、新潟の皆さんと共有したいんです」

 


 

音楽全体が認識できる2人とステージをともに

 

 この二人とステージに立つ理由は、それぞれが持つ音楽的な背景や経歴、そして個性にあるといいます。U-zaanは、インドで入門した師匠のもとで毎年春に何カ月か、伝統音楽を学んでいます。それを続けながら、帰国するとJポップやヒップホップなど幅広いジャンルのアーティストと共演。中でもレキシとコラボレートした「Takeda’ feat. ニセレキシ」は、最も広く知られた曲でしょう(「ニセレキシ」という「レキシネーム」は、レキシとU-zaanが2人ともアフロヘアーを特徴としていることから付けられたんだとか)。一方で、椎野さんは、Caravanばかりでなく、Coccoやハナレグミといった多彩なアーティストのライブをサポートするとともに、レコーディングの分野でも活動しています。

 

 

 

「U-zaanが叩くタブラという楽器は、音色が独特だから、最近ではJポップでも音像の装飾として使われることが多くなっています。でも、彼の場合は、それにとどまらないんですね。ポップスの中に、タブラの本質と特性を生かして、今までにない音楽を生み出そうとチャレンジを続けている。そのためには、インドの伝統音楽と長く受け継がれてきた奏法をこれからも学んでいかなきゃいけないと、彼は考えているんですね。同時に、そのときに自分が向き合う音楽の全体を認識しながら、タブラを生かして生み出せる最良の成果を追い求めている。一緒にいたら愉快だし楽しい人ですけど、そういう部分では生真面目というか。ともに演奏するミュージシャンたちに対しては、細かく気配りしてくれる、本当に信頼できる音楽家だと僕は思っています。音楽の全体を認識してくれるということでは、椎野さんも共通していますね。ドラムとタブラ、どちらも楽器の分類としては打楽器ですけど、ほかの楽器と同じように、いや、それ以上に、繊細な演奏で、ともに音楽を生み出すミュージシャンのいいところを引き出して、それを聴く人たちにしっかり伝わる音にしてくれる。つまり、心でも体でも感じられる音楽が、この2人と一緒なら生まれるんです」

 

次のアルバムに向けて作っている新曲も!(次のページへ)